山 行 記 録 No.152   

赤石岳(3120m)・悪沢岳(3141m)

【日程】 2008年 8月 9日(土)〜11日(月)   【メ ンバー】 TAKEMARU君・NSさん・お気楽 3名
8/9      自宅(電車) → 渋谷(車) →畑薙第一ダム手前駐車場→(バス) 椹島 →  赤石小屋
晴れ後    4:40         5:40/5:50        10:45/11:30            12:30/13:22    17:15     
曇り時々雨
  

8/10     赤石小屋 → 赤石岳 →  荒川小屋 → 荒川中岳  → 荒川中岳避難小屋
晴れ後     
 3:42       6:48/7:07     8:42/9:32    10:40/11:40     11:43 
曇り後時々雨        
8/11     荒川中岳避難小屋 →   悪沢岳  →   丸山  →  千枚岳   →  千枚小屋→
晴れ     
     3:48           4:49/5:16       5:37     6:09/6:25     6:48/7:37 
          椹島(バス)→   畑薙第一ダム駐車場(車)→ 清水(車) → 池尻(電車)
 →  自宅 
       11:30/12:50         13:50/14:10                               21:00       
自己評価(赤石岳)眺望★★★★ /達成感★★★★ /危険度★★/疲労度★★★★/総合評価★★★★
       (悪沢岳)眺望★★★★★/達成感★★★★/危険度★★/疲労度★★★★/総合評価★★★★
赤石岳(千枚岳付近より) 悪沢岳(千枚岳より)

はじめに

さて、百名山完登に向けて以前からネックになっていた南アの2山の悪沢・赤石。
天候悪かったり、台風で道が崩れたり、仕事で行けなかったり・・やはり仕事しながら休みを連続
で3日以上取るチャンスが少ない現状では仕方ない所もある。しかも体力が無ければ苦戦必至なの
で気力・体力も充実してないといけない。

今回も、よもやの転勤で海の日3連休は潰れるし、年内に登るにはお盆休みが長い今回しかチャン
ス無しと思い実行に。単独になるかなとは思ったがTAKMARU君を誘ってみたら,「行く!」とのこと
で、その後、TAKEMARU君の後輩のNSさんも参加表明で、足並み揃ったメンバーで行けることになっ
た。

自分的には引っ越し疲れもあるし、腰の状態もかなり悪く直前でドタキャンしようかとも思ったが
折角のチャンスなのでなんとか行けそうな状態になったのは出発直前だった。。

(おことわり)
デジカメの電池の充電忘れ&予備電池忘れで写真が極端に少なく、ほとんどの写真を同行のTAKEMA
RU君のを拝借しました・・


山行記
1日目
当初の予定では初日は移動のみの予定だったが、東名の渋滞がさほででは無く、早めに着いてしま
った。東海フォレストのバスのお昼の便もだが客が多ければ臨時で早めに出発するとのことなので
これに乗ってこの日は赤石小屋まで行ってしまおうということに。予定では椹島で宿泊し翌日早出
のはずだったが早く着いてしまうとヒマで時間を潰すのもなんだし、休み中に仕事も入りそうで少
も早く行ってしまおうということににした。

東海フォレストのバスは結局満員で30分早く発車。途中からダート道で乗り心地は悪い。さっきま
で晴れていた天気も急速に悪化して雨が降り出す。通り雨のようなのでさほど心配はしていなかっ
た。
椹島で昼食を摂ったりでノンビリしてしまい出発が少し遅れ気味の13時20分過ぎという非常識?な
時間。しかも雨は一旦止んだと思ったらまた少しパラパラ・・しかも雷まで鳴り出す! ま、赤石
小屋までは終始樹林帯のようなので稜線の大木の真下だけ気をつけて行けば大丈夫でしょう・・。

東海フォレストの小型バス 椹島ロッジで腹ごしらえ

出発して最初からすぐに樹林帯に・・天気はどんより暗く更に樹林帯なのでまるで夕方のよう・・
時折雨も降って仕方なくカッパも上だけ着て登る。赤石小屋までは標高差も1500m近くあるので休
憩も少なめに黙々と登る。

いつもならかなり飛ばすTAKEMARU君のペースもさほどではなく少し余裕を持ってついていける。
あまり速いペースだと翌日に疲れが残るかもしれないのでちょうどいい。腰痛が気になるので腰に
ベルトのようなコルセットのようなサポーターを巻いて登山だが姿勢によっては痛みが出るのでな
んとなく歩き難い。

赤石小屋目指しての登りも順調に標高を稼ぎ、もう少しもう少しと思いながらも最後は少し稜線伝
いにアップダウンがあって思ったより時間がかかる。雷の音が気になりながらの登りで暗い樹林帯
だったが、左手に聖がチラチラ見え始め前方に赤石が見え始めるとやっと赤石小屋に到着。
3時間半で登る予定が少しオーバーして到着も17時を少し廻ってしまった・・。

椹島を出発 樹林帯から聖が見え出した

小屋はやはりかなりの混雑で、東海フォレストのバスで本日の行先で赤石小屋に遅めに到着という
連絡を入れてくれているはずだったが、「聞いてない」と言われてしまった・・しかし勿論快く泊
めてはくれたがもう寝るスペースも無いので入口近くの下駄箱横に2人、廊下に1人に寝ることに。
少し寒かったけどかえって窮屈でなくて良かったかもしれない。

食事も4回だか5回戦だかのラストで19時10分からという山小屋らしくない夕食時間。
この日赤石から降りてきた団体さんのリーダーの話では昼過ぎに凄い雷であと少しで山頂というと
ころで断念したらしい。後から会った人の話では山頂に落雷もあったらしく賢明な判断だったよう
だ。。

赤石小屋に到着 聖岳をバックにビールで乾杯

2日目
トイレに行きたくなって起きると3時前のちょうど良い時間。外に出てみると満天の星空♪
テンション上がって出発準備もダルくない。
夏の暑さは苦手なので早出して涼しいうちに標高の高いとこまで登ってしまおうという作戦でヘッ
デン灯して出発。恐らく一番スタートかな?。

またまた樹林帯を黙々と登るがちょっと汗かいてきたところで富士見平だったがまだまだ真っ暗。
ここから一旦かなり下って下って・・分かっていたものの少しガッカリ。道もあまり良くない。
下ってからトラバース気味にアップダウンのある道を進むと赤石岳直下のカールへ。ここは雪渓が
融けたばかりの場所にお花畑が広がり、明るくなって見晴らしも良くなって心癒される。
ここのカールの脇を登って行くと次第に展望も開け気分も高揚してくる。しかし、少しバテ気味に
なってきたので稜線すぐ手前の少し広くなった所で大休止&朝食。

富士山が見え始める 赤石岳直下カールのお花畑

休憩場所でノンビリした後は僅かで稜線へ。稜線の穏やかな道を少しだけ登ると赤石岳山頂!
朝の展望は良く富士山もクッキリだし、聖やこれから向かう悪沢〜千枚方面、南アルプスの北部の
山々まで見えるがどれがどの山かイマイチ分かり難い。中央アや御嶽方面も見えて最高のの眺望♪

赤石岳山頂標 小赤石岳より赤石岳

この日は出来たら千枚小屋までの予定で、行動時間も長くなりそうなので早めに歩き出す。
先ほどの稜線の道を戻り赤石小屋からの合流点から小赤石岳方面に僅かに登り返すと小赤石岳山頂
に着く。団体さんが大勢いて記念撮影して出発するとこだった。ここもかなり眺望がいい。

少し休んで荒川小屋を目指しどんどん下っていく。あまり下るのでかなりもったいないが・・。
大聖寺平ではほとんど休まず荒川小屋へのトラバース道へ。最後は少しアップダウンがあって荒川
小屋に到着。少し暑くなってきたところだったのでホッとした。

荒川中岳直下のお花畑

荒川小屋でスイカ&カレーライスを食べ水を補給して、この後の長い登りに備えて出発。

やはり急登で暑くなってきたこともあって苦しい。
しかしここのお花畑はなかなか・・ハクサンイチゲやシナノキンバイがメインでハクサンフウロ
や所々クロユリも咲いていてなかなか綺麗だ。この景色を見ながらなんとか頑張って少しづつ登っ
て行くが、TAKEMARU君・NSさんのペースがこの辺から落ちてきてバテ気味のようである。
一度休憩してまた登って、急登が終わると右手にトラバースしていくと稜線の道に合流点に到着。

稜線合流点で待ってたが右手の荒川中岳の山頂が近いのでここまで行って2人を待つことにする。
山頂で様子を見てたら合流点に2人着いたのが見えたがTAKEMARU君はすご横の中岳とは反対の荒川
前岳の方にスタスタ歩いて行ってしまった。結構気合い入ってるなーと思いながら見ていたが、実
は自分のことを探しにきていたようだ。

荒川中岳山頂標

荒川中岳でしばし待って2人が到着。かなりバテ気味だし天気悪くなってきたので千枚小屋に行く
のを止めたそうだ・・。自分としてはまだ体力的には余裕があったが、天気悪いのとバテてるのを
無理に引き廻してもマズイと思い荒川中岳山頂直下の中岳避難小屋に泊まることにした。翌日早出
すれば、あまり時間も変わらないし天気・展望も期待が持てそう・・。

時間がまだ昼前だったので翌朝までかなり退屈。ビール飲んで昼寝を決め込む。15時半位にかなり
激しい雨で目覚める。雷は鳴らなかったので良かったがそのまま千枚まで進んでいれば丁度小屋に
着いたかギリギリの時間だったかも・・。その後も風が強く天気もイマイチ。


3日目
夜中の2時過ぎにトイレに起きたら濃いガスで視界無し。すぐ近くのトイレに行くのも迷うほど。
これはヤバいか・・
しかし、3時に起きて出発準備をしながら再び外に出たらなんとか少しづつ星空も見えてきて安心
し、またヘッデンを灯して出発。

まずは悪沢岳目指して一旦かなり下って今度は登り返し。まだ暗い中の登りだが前後に避難小屋か
らのピストンをする人がいて後ろから来た単独の女性は猛スピードで抜いていく。南アを長い縦走
する人は体力もある・・。

悪沢岳(荒川東岳)山頂にて 山頂からの富士山

ガレ場の急な斜面を登ると悪沢岳(荒川東岳)の山頂に到着。
天気がちょうどガスが取れたりかかったりで微妙だったが次第に晴れてきて御来光も迎えられた♪
眺望は見事で富士山もクッキリだし、昨日登ったの赤石方面や塩見〜北岳方面も綺麗に眺められて
非常に満足♪

悪沢岳山頂から塩見・北岳方面 山頂より赤石方面

山頂はちょっと寒かったが少し長居して眺望を楽しむ♪
明るくなると更に見晴らしが良くなって来た。悪沢岳の登頂を翌日にして良かった。。♪

丸山山頂と富士山 右に荒川東岳左に荒川中岳

悪沢岳で眺望を楽しんだら後はさっさと降りるだけ・・と思ったら更に天気が良くなり
眺望を楽しみながら下る。

丸山も眺望が良く悪沢岳が朝陽に照らされて綺麗だ♪
更に下り千枚岳の手前まで来ると赤石小屋のある稜線から赤石岳、そして荒川小屋から荒川三山が
一望出来て、ここまで歩いて来たコースのおさらいが出来る。

千枚岳も眺望良く、富士山が更に大きくなった気がするし、北の方に目をやれば遠く北アルプスの
山々まで・・槍穂高まで同定出来たのは嬉しかった♪

千枚岳山頂・背後は荒川東岳(悪沢岳) 千枚小屋

千枚岳でかなり腹も減ってきたが我慢して千枚小屋まで降りて、ここでゆっくり休憩。
まだ遅い出発の人がチラホラいる中、朝食を。小屋で中華丼を作ってもらって食べながら寛ぐ。

この辺りはマルバダケブキのお花畑になっており、南アはこの大きな花を良く見かける。
ゆっくり休憩した後は最後の下り。
長い道程のようだがダラダラ下りなので膝が笑うことも無さそうか・・
樹林帯の延々と下りが続く道を辛抱して歩く。途中清水平の水も良く流れており、ここで少し休憩
した後はまた一気に下る。

少し先行して歩いていたが最後の方でまさかの登り返しがあってその後の鉄塔の所で休憩しながら
2人を待つ。2人と合流した後は最後の急な下り。先行していたオバちゃんの団体さんを追い抜い
た直後に大きな石の苔で滑り転倒!膝を強打してかなり痛かったが、オバちゃん団体を抜いた直後
だったので我慢してすぐに歩き出す・・・。(この痛みはこの後3週間続いた)

最後はやっと車道のような林道に出たが、意外にまだ距離があった。まだかまだかと思いながらか
なり暑くなってバテテきた所でようやく椹島に到着。腰の痛みもさほど出なくて良かった♪

無事椹島に到着

椹島ロッジの風呂でシャワーを浴びて13時のバスで畑薙ダムの駐車場に戻る。
帰りは清水まで行って回転寿司を食べてから帰った。

高速の渋滞も無く最後は都内で2人と別れて電車で自宅まで戻った。


あとがき
このコースはアプローチも長く、更にどちら廻りで登るか、宿泊場所はどこにするかかなり迷う。
1泊でも行けないことは無さそうだが、あまり無理せず山中3泊にした方が行動にゆとりを持てて
良さそうだ。東海フォレストのバスも朝遅いので真夏は暑さとの戦いになりそう・・もっと早い時
間にバスを出せばいいのに・・・。。しかし今回は雨に少しあったが暑さにやられずに済んで助か
った。

真夏の稜線はかなり雷が心配だったが、天気にも眺望にも恵まれいい山行になった♪
思ったよりキツくなかったでした。。


これで百名山歩きも97座に・・。いよいよ北海道の3つを残すだけとなった。