山 行 記 録 No.36                         

富士山(3776m)

【日程】 2003年 7月 25日(金)〜26日(土)
  【メ ンバー】  リーダー ・ NT君  2名
霧か雨     →(車) 富士山新5合目(富士宮口)→ 新6合目   →    新7合目 → 元祖7合目 → 8合目
                   15:00/15:20           15:35  (途中10分休憩)   16:20       16:50      17:20 
        赤岩八合館(泊)→ 御殿場口山頂 → 富士宮口山頂  → 剣が峰 → 富士宮口山頂(浅間大社)→

          17:40/3:10        4:25           4:30        4:45/5:15    5:20/5:35     
        9合目 → 8合目 →  元祖7合目 → 新7合目 → 6合目 → 新5合目 →(車・電車) 自宅
          6:00     6:15          6:30           6:45/6:50    7:10    7:15/7:45          11:00     
自己評価  眺望★ /達成感★★★  /危険度★  /疲労度★★ /総合評価★★★   
        
    

  
       富士山頂(剣が峰−三角点)                    富士山測候所のドーム跡      

はじめに
富士山はやはり一度は登りたい山。中学の時から本気で登りたいと考え出してからようやく、
そのチャンス到来。しかしシーズンは短く7月と8月の2ヶ月間しか登ることが出来ない。
(自分のレベルでは)
しかも週末の混雑を考えるとなかなか行こうという気になれない。あまり無理して高山病にも
なりたくない。
今までに富士山より高い、スイス・ツェルマットのクラインマッターホルン(3880m)でのスキー
や、フランス・シャモニーのエギーユ・ドゥ・ミディー(3820m)に行った時も確かに空気は薄く少
し動いただけで息が切れた覚えはあったが、高山病にはならなかったのでさほど心配はない
とは思いながらも体調だけはいい状態で行きたい。

今回はたまたま7月下旬の金曜日に私用で会社を休む予定があったので、用事を早めに済ま
せ、夕方5合目から登って7〜8合目あたり仮眠。早朝山頂に立つという計画で行くことに・・。
そして、ルートはやはり山頂までの所要時間の一番少ない富士宮口からのコースからとした。
    

山行記
今回は久々にNT君と登ることにする。東名川崎I.C近くで待ち合わせし、御殿場から富士宮登
山口に行く。途中大雨や濃い霧で見通しがまったく利かない場面もあり、天気が心配になる。

富士宮口新5合目に着いたときはまだ雨が降り始めだった。心配された駐車場の混雑も、この
天気では人出も少なく登山口から4台目という近い場所がキープ出来た。

早速カッパにスパッツにザックカバーという雨装備に着替え出発。この標高の高い所に寒さの
中で雨の中の登りという先の思いやられる展開。明るいうちにどこまで行けるか心配だ。出来
れば8合目までは行っておきたい。
    
   登山口の案内図             富士宮登山口         

歩き出しはなんとなく空気が薄く感じたので息を大きく吐き、大きく吸い込む深呼吸をしながら
無理せずゆっくり目に歩く。やはり高山病を警戒・・。すぐに6合目があり、さらに登っていくが、
雨もそこそこ降っており、しかも見通しも利かず、下界の景色はゼロ。単調な登り道で退屈して
いくが、こういうときは意外と集中して登れ、ピッチも次第に上がっていく。
登山道も火山礫や砂状の道で濡れていても意外と滑らないので登り易い。新7合目を過ぎたあた
りからペースも落ち着き、調子も出てきて、ファミリー登山や若いカップルなどをバンバン追い抜い
ていく。しかも誰にも抜かれない展開で8合目まで一気に行く。(一気に頂上まで行けそうな勢い)

8合目から、御殿場口ルートに出るのに右に500mほどトラバース。こちらのコースの山小屋は
空いているらしく、20分近く余計に時間はかかるが、混んでる所に泊まるよりはずっといいので
今晩はこの8合目の赤岩八合館に宿泊することにした、コースタイムよりずっと早い到着。

こちらの山小屋は予想通りあまり混んでおらず、対応もいい。受付手続きを済ませた頃から雨足
が強まり土砂降り状態に・・・。あとから着いた人はかなり大変そうだった。
ビール一杯飲んだあと食べ放題のカレーライスを食べ、天気予報を見たが、なんと山梨や静岡
東部には大雨・洪水・雷注意報が・・・そのとおり夜遅くまでかなり雨が強く降った。

夜は早めに寝るもあまり寝られない(布団は一人一枚以上)夜中に目覚め、雨音がしないので外
に出てみると、まったく見えなかった下界の景色(夜景)が見えたので、そのまま仕度して出発す
ることにする。ヘッデンを点けて歩き出すが暗いと歩きづらく、空気も小屋が3300mだったのでこ
れより上は更に薄く感じる。ゆっくり息を整えながら登っていく。しかしさっきまで見えていた夜景
もすぐガスで見えなくなってしまう。
さすが御殿場口からのコースは人が少なくていい。やがて空が少し白み始めた頃、御殿場口の
頂上に着く。


山頂にてポーズ
早速、最高点の剣が峰(測候所)を目指す。最後の急登は5歩登ると息
が切れるような感じがする。気温もかなり低く0度近いのでは・・・。測候
所横に最高点の三角点がありやっと頂上だ。
幸い風が弱くあまり寒く感じなくてよかった。しかし、雨で景色はまったく
見えない。

山頂三角点の説明



山頂浅間大社前


剣が峰でお湯を沸かし、ゆっくりコーヒーを飲んで浅間大社でお参りし、お札を買ってから下山に
とりかかる。

富士宮口からのコースからは数多くの人が登ってくるのを尻目に下りのスピードを上げる。結構
道も広く、すれ違いにはあまり苦労しない。しかも滑りにくい岩や石で更に砂がクッションになって
膝に負担が掛からず速い、速い。しかも景色がまったく見えないので、歩きに専念出来る。ノロ
ノロしている先行者をバンバン追い越し、休みもほとんど取らず一目散に下山。

結局、登り合計3時間35分、下り1時間40分と、我が登山隊は誰にも抜かれず、ただピークを踏む
だけが目的の山行となってしまった。ただ最高点に行ったという達成感はあった。
     
おまけ
さすが富士山。老若男女、国籍も問わず大勢の人が登っていた。しかし今回は天気が悪く、下山
のとき、これから登る人を見てるとかなりつらそうだった。特に8合目より上の山小屋では疲れ切っ
た顔の人が目立った。特に家族連れなどはかなり気の毒に見えた。こんな日になにもつらい思い
をして登らなくても・・・と。子供は山が嫌いになっちゃうんじゃないかと余計な心配。
こちらも、あえて天気の悪いのを承知で行ったが、雨はやはり大変で、止まると冷えて寒いので
突っ走ったから速かったというのが真相。これだけ雨にやられたのも初の体験。今年買ったゴア
のカッパ&ドライシャツが威力を発揮して良かった。
素晴らしい景色を見ないと山の価値も半減かと・・・・しみじみ思った。。

それと高山病はいろいろな登山ガイドには、さんざん気をつけろとか脅しのように書いてあったが、
リーダーも同行のNT君も症状まったくなし。体質なのか、登り始めを注意してゆっくり登ったのが
良かったか、途中山小屋に仮眠したのがよかったのか、よくわからないが、とにかくなんともなくて
良かった。