山 行 記 録 No.93  

甲斐駒ヶ岳(2967m)

【日程】 2005年 10月 30日(日)   【メ ンバー】  リーダー単独
天気     自宅 →(車)夜叉神峠 →(バス) 広河原 →(バス) 北沢峠 →  双児山  →   駒津峰 →
晴れ    2:45      5:20/5:30       6:12/6:50      7:15/7:22   8:52/8:54   9:27/9:30     
        甲斐駒ヶ岳 山頂  →   駒津峰  →   仙水峠  →  仙水小屋  →  北沢峠 → 
          10:39/11:20        12:17/12:22    13:27/13:35   13:54/13:59    14:35/15:15 
         (バス) 広河原→ (バス)夜叉神峠 →(車) 自宅
             15:40/16:00    16:42/16:44     21:10         
自己評価   眺望★★★★/達成感★★★/危険度★★/疲労度★★★/総合評価★★★★
     
    
駒津峰からの甲斐駒 仙水峠からの甲斐駒と摩利支天

はじめに
甲斐駒は中央道を通るたびに右に八ヶ岳、左に甲斐駒を眺められ、見るたびに登りたいと思ってい
た。これまでに何度か計画したが諸々の条件が整わず延期になってきた。南アルプス林道の一般車
乗り入れ禁止で広河原まで車が入れなくなったのも大きな理由の一つで、やはりバスに乗り換えだ
と時間がかかってつい億劫になる。
今回はたまたま土曜日の天気が悪く日曜日に別な山に行こうとのお誘いもあったが直前で都合がつ
かなくなったため、今一番登りたい甲斐駒の急遽行く事にした。

山行記
甲斐駒は時間と体力があれば黒戸尾根から行きたいところだがやはり一番楽な北沢峠からになる。
北沢峠の登山口までは長谷村の戸台口と山梨側は広河原からバスで行く事になるが、3年前に仙丈
に行った時に思ったのだが戸台からのバスは臨時便の対応が良く、人が多い時は適時臨時便を出し
て対応していたが、広河原からのバスはあまり臨時便の対応をしていなかったので、長谷村から行
こうと考えたが、やはり山の反対側なので遠いので夜叉神峠からバスで広河原経由で北沢峠に入る
ことにした。。(バスの運行は芦安村から合併して南アルプス市にもなったことだし、もうちょっ
と頑張ってもらいとこだが・・)

朝はかなり早い時間に自宅を出発。。眠い・・。中央を飛ばして南アルプス市芦安地区を目指す。
本来ならば芦安地区の駐車場に車を停めて行くようだが、夜叉神峠の駐車場が空いているうちは夜
叉神までは入れるようで、くねくね道をドライブ。。霧で前が全く見えない位で天気が少し心配に
なる。ちょうど始発のバスの到着する少し前に着き、バスに乗る。まだ真っ暗な中、良く眠れて広
河原に着くあたりから明るくなり、周辺は遅れていた紅葉が綺麗で見頃になっている。広河原から
は山頂近くが雪で白くなった北岳も見られ、天気も回復傾向でホッとしたが、外は結構寒い。

広河原の紅葉 北沢峠

北沢峠までのバスからも、もう散っていたかと思ったがまだかなり紅葉が綺麗に見られる。
途中、仙丈や甲斐駒も車窓からチラリと見えた♪

北沢峠まではバス2台となったが人はあまり多くない。帰りのバスは本数が少なく、帰りの渋滞の
ことを考えると出来れば最終の1本前の便に乗ろうと考え、スピードを上げて登ることにした。
まずは双児山経由で駒津峰を目指す。いきなりの急登だが気温がそこそこ低いのであまり汗も噴出
さない。樹林帯の中からは時々後方に仙丈岳の姿がチラチラ見られる。高度を上げると左手には中
央アルプスや御嶽、乗鞍なども見られるようになり、天気は完全に回復のようで期待が高まる。

この山行から靴を新しくしてオールシーズン用の少し硬めの靴にしたが、調子はまずまず。前の靴
はちょうど2年で底がツルツルになったので張替えをしないと。。

登山道の霜柱 樹林帯の登山道からたまに見える仙丈

双児山の山頂手前からは更に展望が広がり右手の背後に北岳の尖った姿と鳳凰三山と富士山も見え
るようになってきた。勿論、甲斐駒の大きな姿も見える♪。樹林帯から抜けると風が強く一気に寒
くなり体が冷える。カッパも着て防風するが、風が弱くなると暑く、吹くと冷えるというパターン
で着ている物の調整が難しい。

甲斐駒が姿を現す 双児山の標識

双児山から駒津峰までは一旦下ってから登り返しとなり、もったいない?と思いながら登る。
このあたりから森林限界を超えて登山道の周囲はハイマツとなる。

双児山から駒津峰へのハイマツ帯の登り 左手に中央アルプス(木曽駒や空木)

この日の調子はあまり悪くなかったが、息が切れて思ったよりペースが上がらない。

それでも双児山までは1時間30分、駒津峰までは2時間強で到着。

駒津峰の標識と奥に鋸岳 駒津峰からの甲斐駒

駒津峰からは更に甲斐駒の姿が大きくなるが、また一旦下ってからの登り返しとなるので、体力を
消耗する。鞍部から少し登った所が直登ルートと巻き道の分岐となる。ペンキで岩に「直登」「マ
リシテン」と書かれているだけなので、直登ルートの方が早いかと思い選択したが、いきなり大き
な岩が立ちはだかり、手や足の掛かる所が少なく登りづらい・・。

直登と巻き道の分岐 直登ルートに立ちはだかる岩

意外と手こずって時間をロス。。岩慣れしていない人は巻き道を選択したほうが無難なようだ。。

岩場を過ぎて稜線沿いに進み、見えていた上の部分が頂上かと思ったら更に少し先に登った場所が
頂上。

甲斐駒山頂標 山頂の祠

ようやく着いた〜〜♪。予定より15分程時間がかかってしまったので帰りの早いバスはあきらめ、
ここでゆっくりすることにする。

山頂から御嶽山(下の白は岩ではなく雪です) 山頂から乗鞍方面


眺望はさすがに最高で、下界の雲は若干多いものの南アルプスは快晴で鳳凰三山から赤石方面まで
と中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、その北側には北アルプスのどこかは特定できなかったが穂高・
槍方面の山らしき物まで見えた、すぐ近くの八ヶ岳や蓼科方面も見えたが北東側の秩父方面は雲の
中でほとんど見えなかった。

山頂から奥に北アルプス手前に鋸岳 山頂から八ヶ岳

強風は少し収まって来たが、山頂のどこにいても風が吹いてきてどの方向からも風が来るような
不思議な状況。
山頂部の北側の影には白い岩や砂の上に更に真っ白な雪も積もっている。

山頂から鳳凰三山とその上に富士山 山頂標と北岳・間ノ岳・塩見岳方面

この日はシーズンも終盤のためか人も少なく山頂は多くても4〜5人しかいない。

山頂から仙丈 山頂から黒戸尾根方面

下山は巻き道ルートから降りることにする。白い砂の道は踏み跡があちここにあり、少し分かり
づらいが適当に踏み跡のしっかりした方に行けば無難に降りられるし、思ったより滑らない道で
安心・・。しかし、ルートを外れれば滑るのですぐ分かる・・。

山頂直下の白砂のザレた道 甲斐駒&摩利支天も見納め

すぐ横にある摩利支天に寄ろうかとも思ったが、眺望は充分に楽しんだので、さっさと降りること
にした。やはり巻き道ルートの方が無難な道で歩き易いので、登りもこちらを使えば良かったと思
った。
駒津峰に登り返して再度眺望を楽しむ。陽が上がって鋸岳方面の紅葉が輝きを増して綺麗だ。
帰路は甲斐駒の雄姿を左に見ながら仙水峠経由で降りることにする。正面に鳳凰三山を見ながらの
急降下。
登りはかなりキツそうだが、登って来る人は誰もいなくてホントに静かな中での歩き。しかも風も
弱まって日差しが当たるので、暖かくて眠くなってくるのでゆっくり膝に負担のかからない歩きに
なる。

駒津峰下からの黄葉 早川尾根より左手はガスの中(右上は鳳凰山)

うんざりするほど下った頃ようやく仙水峠に到着。ずーっと左手に見えていた甲斐駒&摩利支天が
雲の中に隠れていた。そういえば上から見た時は正面の早川尾根から左側には雲が沸いていたので
ちょうど雲のかかる境目のあたりらしい。北沢峠から仙水峠までハイキングに来た人と話をしてい
る間に時々雲の中から摩利してんの高く立ちはだかる姿が目に入ると「おー」という歓声を上げて
しまう。
あんな所から降りてきたのか・・と、自分自身もちょっと驚く・・。

仙水峠からの摩利支天 黄葉の中の下り

仙水峠からはダラダラの下り道。最初は火山岩のような岩の道。正面に仙丈を見ながらゆっくり降り
その後は樹林帯の道をしばらく降りると仙水小屋で、営業はしていなかった。ここの水場で水を汲ん
で休もうとすると、まだこんな時間からでも仙水峠まで登っていく人達と一緒になる。


仙水小屋 北沢峠から広河原へのバス車窓からの紅葉

仙水小屋からは沢沿いの道を下る。カラマツの黄葉が綺麗な道を下ると長衛小屋に着く。陽だまり
でくつろいでいる人とテントの設営準備をしている人がいたが、ほんの少人数で静か。。
最後に長衛山荘まで少し登り返して無事到着。
山荘でゆっくり休憩してバスを待ち、15:30の15分前に1台目のバスを出してくれたので、それに乗
って広河原まで、紅葉が見事だ・・。広河原から夜叉神峠まではバスも3台で結構混んでいた。

帰り道はバスやバスから降りた人達より先に一番で出て少しでも早く家に帰ろうと思ったが、中央が
事故やらで大渋滞。。遅い帰宅となってしまった。



おまけ 
この時期の南アルプスはさすがに山登りの人は健脚の人や山慣れした人が多く、しかも単独で来てい
る人が多かった。
しかし、そんな中簡単なハイキングや紅葉見物の人も北沢峠までバスで上がって来ていた。登山者だ
けかと思っていたので意外というかどうやって目をつけてきたのか?ないが、面白い選択だと思った
。仙水峠までなら2時間ちょっとで往復出来るし、静かな雰囲気の中紅葉を楽しめる。又、広河原か
ら北沢峠の道沿いの紅葉も見事で、バスの車窓から眺めるだけなのももったいない気がした。。

あと、、仙丈と甲斐駒のコースタイムの比較。。
ガイドブックやら地図だど、だいたい両方とも7時間程度になっているが、両方登ってみて思ったの
はコースタイムが同じとか甲斐駒の方が若干短いというのは明らかにおかしい・・。。甲斐駒の方が
アップダウンがあって累積標高差は多いはず・・(カシミールとか持ってないんで正確には分かりま
せんが・・)しかも駒津峰〜山頂の間は歩きづらい岩場とか砂の道で、比べてみると仙丈の方が道は
遥かに歩き易く、悪場もないので甲斐駒よりは2割以上は早い時間で歩けるだろうと思うが・・。特
に北沢峠までバスで来て日帰りで登る人は体力と相談しながら良く検討して登ったほうがよいだろう
と思う。