山 行 記 録 No.50
安達太良山(1700m) |
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【日程】 2004年 2月 21日 (土) |
【メ ンバー】 リーダー単独 ・ [奥様(スキーのみ)] |
1日目 自宅 →(車)あだたらスキー場 → ゴンドラ山頂 → 表登山口分岐 → 山頂直下(乳首下) 晴れ時々曇 4:35 7:35/10:25 10:35/10:47 11:11/11:12 11:47/11:50 安達太良山山頂 → 山頂直下 → あだたらスキー場下部 → (車)自宅 11:55/11:57 12:00/12:13 12:43/13:25 17:35 |
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自己評価 眺望★★★ /達成感★★★ /危険度★★★ /疲労度★★☆ /総合評価★★★☆ |
安達太良山(ゴンドラ山頂駅付近より) 安達太良山
山頂
はじめに
百名山も今回で40座目となる。前々から100のうち、せめて2〜3山はスキーで滑ってみたいと考えて
いた。
スキーで登り降りとなると百名山だと東北方面の山がお手頃かつ楽しめそうな山が多い。
しかし、装備も不十分だし、オフピステは結構滑っているものの完全な山スキーやツアーは経験がない。
今までは何もスキーをするのにわざわざ足で登らなくても・・・と、以前真夏の立山や乗鞍で合宿をした
ときにそう思った。(軟弱派・・・)
しかし、最近ネットでいろいろな人たちの山スキーやツアー記録とか見てるうちにかなり面白そうに思え
て急に行きたくなってきた。
しかし山スキー用の道具が・・何も無い。買うには高すぎる。どうすりゃーいいんだ。
登りはシールがいいのか?ツボ足か?スノーシューか?ワカンか?ツボ足なら板はどうやって担ぐの
か?板は何がいいのか?ビンディングは?靴は??っていろいろ考えたり調べたり聞いたりしてるうち
に、少しは分ってきたが、やはり実際に行って体験してみないとよく分らん。。。
ということで、一番お手頃な入門編みたいな山で、山スキー情報が多く、人が少しはいて、いつでも撤退
出来て、しかも百名山で、日帰りも可能というところはやはりこの山しかないということで調査方々行って
みることにした。そのうえで、本当に楽しいのか、上手く滑れるのか、道具はどうしたらいいのか等々を
判断してみたいと思った。
山行記
やはりいつものように日帰りでサクっと行きたいので、朝早く自宅を出発。
今回はスキーも出来るので奥様と一緒。山登っている間はスキーで適当に時間を潰してもらおうと一緒
に行った。 (待っててくれた奥様に感謝・・・・汗^^;)
空いてる東北道を飛ばしてジャスト3時間で到着。土日は早朝営業で7時からリフトが動いているので
早速足慣らしで滑る。先月衝動買いしたスノートレックの滑る感覚も調べておきたかった。
実際にスノートレック(99cm)の滑りはファンスキーの90cmの板と感覚的には全く変わらない。これでは色々な雪質が想定されるオフピステの滑りにはちょっと不安。とりあえず降りるだけになる可能性大と判断。
これはシールを貼って登り専用とにする。 重さは非常に軽く1.4sでスノーシューと変わらないか、かえって軽いくらい。 ストックはゲレンデスキー用のものをそのまま使う。 |
←K2の軽い136cmのツインチップ板を担いで登ることにした。 この板は12月に栂池の新雪で浮き上がりも良く、使い易いことは実証済みだった。 ←ザックにAの字形にして括り付ける様子。 板は軽くビンディング付きペアで4.6s、 靴は同じく4.6sで重い。 早く本物の山スキー専用の道具を揃えなきゃーなー・・・。 ※現在使用のマテリアルはこちら |
あだたらスキー場と薬師岳 |
さあ、準備もバッチリでと思っていたところ強風でゴンドラの運転見合わせとの放送・・。えー・・・そりゃーないぜ。。 チケット買うときに確認したのに・・。山登りの人達は早々にあきらめリフトを乗り継いで足で登って行くようだ。しかし軟弱な自分は・・・ゴンドラの運転を待つ作戦に。ダメならスキーやって帰るか。。 シール歩行の練習したりして待っているいる間、履いていた靴のトゥーの部分がポッキリ折れてしまった。今回は歩行が多いので10年以上前に買ったノルディカの981を使おうと思ったが・・・やはりダメか。。 |
そこで、予備で持って来た昨シーズン買ったラング(BANSHEE)にする。この靴はフィットしすぎて歩きで
痛い思いをしそうな予感がしたのだが仕方ない。しかし、不幸中の幸いで折れたのがスキー場の一番
下で良かった・・。
この日はツイテないことだらけ。最悪だったのは買ったばかりのリフト1日券紛失!
はー・・・。出発前にイレコミ過ぎが祟ったか。
ゴンドラ山頂駅 | ガッカリしてこれからどーしよーかと思ってたところ、ゴンドラが試運転をし出した。 これは行けそうか・・早速準備してゴンドラの運行を待ってると運転開始のアナウンス。待ってて良かった。(喜) ゴンドラの上まで行くと出発準備をしている人がたくさんいる。 団体さんの後ろになりたくないので早々に準備をして先に出発する。 |
登り出してすぐに展望が開ける 表登山口との合流 開放感ある景色に
登り出してすぐに安達太良山の山頂部が見え出す。出だしは緩やかな登り。表登山口との合流点までは
低いまばらな樹林の中を行く。今年は雪がまあまあ多い方らしく樹林が低くなっていてスキーにはもって
こいのコンディション。しかし、この日は人が多い・・、山スキーの人が3〜4割、登山の人が残りという感じ
で、山スキーの人を追い越したり、すれ違ったりすると必ずお互いに足元を見てしまう。私のスノートレック
は一様に物珍しそうな目で見られる。
出会う人はシール、スノーシュー、ツボ足と様々。山スキーの人が多くテレマークの人は意外と少ない。また
ボーダーもほとんど見なかったが、やはり目立ったのは中高年の登山の人達。シリセードで元気よくハシャギ
ながら滑っている。 この日は天気がよく気温も高くみんなお手軽に「雪」を楽しんんでいて賑やかだ。
この日のやや硬めの踏まれた雪だとシールが一番早いと感じた。もっと軟い雪ならスノーシューのほうが
いいと思うが、事実スノーシューを履いてた人も途中で脱いでツボ足に変えた人もいたようだ。
天気も良くて山頂も見えてくると元気も出るし、ペースも上がって来る。結局山頂直下まで結構な人数を追い抜き誰にも抜かれなかった。スノートレックは調子よくこの日の雪なら充分使えると思った。 しかし、この辺りから強風に悩まされ、風に飛ばされ転んでしまいビックリ。しかも山頂直下は表面が厚めにクラストした雪なのでストックも雪面を突き抜けてしまうし、 ピッケルなんか短くて余計役に立たないようで、耐風姿勢も取りようがない状態だ。 |
山頂標もモンスター化
磐梯山がクッキリ 吾妻連峰の遠景(中央が西吾妻山)
風に煽られながら山頂直下の標識のある場所に着く。ここまで標高差350m程でちょうど1時間。通常のコース
タイムより少し早い。何人かが岩陰で風を避けて休んでいる。ザックとスキーを風に飛ばされないよう岩陰に
デポして山頂を踏みに行く。クサリが一箇所あったが雪に埋もれて使いもんにならない。スキー靴のつま先を
しっかり雪面に食い込ませて登るとあっという間に山頂。1700mと標高は高くないが森林限界を超えて雰囲気
は高山のようだ。
山頂標 |
勿論ここも風が強く、岩に掴まってないと立っていられないほどだ。 しかしなかなの景色。磐梯山や吾妻連峰の景色はお見事! 山頂の周囲では写真を撮ろうものにも風で煽られ手ブレの連続で撮り直しを何度もする。ゆっくりお茶でもと思ってたけど・・とんでもない。 一刻も早く立ち去るに限る。 |
板を風で飛ばされないように履き、登りで履いたスノートレックをザックにくくり付ける。 ちょっと上に出っ張り過ぎなので、木に引っ掛けないようにしないと・・・。しかしこの写真で見るほど上には出てません。 |
山頂直下の最初の200m位はクラストしていて風も強いので注意しながら滑る。これを過ぎると締まった滑りやすい
雪。登ってくる人達を尻目に快適に滑って行く。最初は踏まれた所を滑って、徐々に踏まれていない所に突っ込ん
でいく。踏まれていない所のほうがかえって回し易い。雪質の変化に注意しながらいろいろなターンで試しながら
滑る。
コケないように滑るのが絶対なので、無理して前に突っ込んだり、軟い雪で加重を後ろに掛けないよう、重心は常
にセンターに乗るようにして状況に応じた滑りでいく。
思った以上の開放感で楽しい♪
気温が上がったので雪質には期待していなかったのだが標高1500mより上は上々の雪だった。
途中から五葉松平に入りツリーラン。少し雪も軟らかくなりスピードも落ちるが、ターンはしづらくない。地図を確認
しながら降りるが、所々にトレースもあり、迷うことなくあだたらスキー場パウダーバレーコースに無事滑り込めた。
五葉松平はツリーラン スキー場のコースが見えてきた 左にリフトの終点駅が見える
最後にスキー場の荒れた雪を滑り降りあっという間にゴンドラの山麓駅に到着。 ゆっくり目に降りたつもりだったが、ちょうど山頂から30分。 ここから出発後2時間20分程の行程であっという間の山スキーだった。 (^-^) |
※今回のルート図 [国土地理院 2万5千分の1(縮小してあります) 安達太良山南西より]
――→登り(シール)
――→スキー滑走
おまけ
天気が良く暖かで雪もまずまず。パウダーは無かったものの気分的には最高に楽しめた。ただ風が
強くて山頂でゆっくり出来なかったのが唯一残念だった。
オフピステでは自分の持ってるスキーの技術をすべて使ってもまだ技が足りないような気もしたが、
本当に面白かった。これは当分病みつきになりそうな予感。
しかし、やはり道具は揃えないと・・・この日は条件が良くてあまり参考にならなかったが、お金がある
なら、やはり道具はあったほうがいいのか・・・。但し、いかに安く満足出来るレベルに持っていけるか
が課題だろう。日帰り位なら今回の道具で充分だが・・。
今回もいくら簡単な山とはいえ、冬山装備には程遠い中身。板やビンディング・靴ばかり気を取られて
いたが、服装や防寒・紫外線対策等々当然必要。ビーコン、スコップは持ってないし、単独行だと持って
ても・・・GPSのような高級品は買えず。口うるさい方には??と・・。天気だけは気を付けた。無線機でも
買おうかな・・・。
さあ、次はどこの山を滑ろうか・・・♪
今回の写真はオンラインアルバムにも載せてます。こちらからどうぞ
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