山 行 記 録 No.143
遠見尾根 一ノ背髪/南東斜面&北尾根 山スキー |
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【日程】 2008年 1月 5日(土) | 【メ ンバー】 かっきー・ TAKU・お気楽 3名 |
日帰り 自宅 →(車)白馬47スキー場着 → 晴れのち曇り 4:30 7:40 (南東斜面) リフトLineE終点発 → 地蔵の頭 → 一ノ背髪 → 五竜テレキャビン乗り場着 9:20 9:29/9:32 10:06/10:53 12:25 (北尾根) アルプス平発 → 一ノ背髪 → 八方沢出会 → 白馬47スキー場着 13:00 13:55/14:15 15:02/15:20 15:55 →(車) 自宅 22:30 |
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自己評価 (南東斜面) 眺望★★★★/達成感★★★☆/危険度★★★★/疲労度★★★/総合評価★★★ (北尾根) 眺望★★★★/達成感★★★/危険度★★★/疲労度★★☆/総合評価★★★ |
地蔵の頭より小遠見山、一ノ背髪方面 | 一ノ背髪南東斜面 |
はじめに
今シーズンは順調に積雪も増え、初滑りはゲレンデも山も順調にこなして年越し。
年始の休みが変則なので5日か6日は天気次第で出撃しようとしていた。
前日4日に行き先を決めるのに結構悩んだが、年末年始の大雪も一段落して落ち着いただろうと思
い、山スキー仲間TAKUちゃん提案の遠見尾根の一ノ背髪からの南東斜面(犬川)・北尾根(平川)
両方のコースを滑ってみる事にした。ただ一ノ背髪は雪崩の心配があり(実際北斜面は一昨年4月
には死傷者も出ている/2人死亡・3人負傷)、なんとなく心配ではあったが、必要データーは収
集してあとは現地判断で・・ヤバかったらゲレンデスキーでも。。
山行記
当日はTAKUちゃんと関越途中で合流して白馬47スキー場を目指す。
前日に、帰省中のでり氏にメール入れたら栂池方面に行く予定とのことで、もし都合がつけば合流
して1本でも滑ろうかと連絡取ってみたら、都合つきそうだとのことで47スキー場の駐車場で合流。
パトロールとスクールの入った事務所に登山届けを出して、リフト3本に乗って地蔵の頭下まで行
く。
白馬47スキー場最上部より地蔵の頭方面 | 頚城方面の山々(右が妙高) |
登山届を出した時にはまだ本日は他には出ていませんという話だったが、リフト降り場やら地蔵の
頭の下にはBCの人がいっぱい・・皆さん届けを出さない人が多いようだ・・・。
地蔵の頭付近より五竜岳 | 唐松方面 |
地蔵の頭よりこれから登る一ノ背髪方面 | 一ノ背髪南東斜面をチェック(まずまずの急斜面) |
ここは登りの時間が短く(200m強)標高差で約1000m近くも楽しめちゃうことから簡単に入って
来る人が多い。
自分なりにはかなり警戒、実際に事故が起きたのは北側の上部沢筋の斜面だが、南東斜面の犬川に
降りるコースは急斜面で更に難易度・危険度も大きく増すため。
まずは地蔵の頭に登って五竜や唐松他の大展望を楽しむ。その後トレースバッチリの斜面を登って
行く。
一ノ背髪付近からの五竜岳 | 一ノ背髪付近の稜線(北側) |
登りで南東側の斜面の上部は良く見えるため、何度も観察。
クラックが多く今にも落ちそうな所もあってかなり危険な匂いもプンプンしたので、どうしようか
悩んでいるうち、あっという間に一ノ背髪に到着。
天気が良くて更に人が続々と登ってくる。
ほとんどの人が北尾根の平川方面に滑り降りるようだ。
我々は南東側に降りる予定だが、もう一度斜面の様子を休憩しながら観察するが、積雪がまだ充分
でないため斜面がかなり凸凹してたり、クラックやら大穴があったりでちょっと厳しそう。
しかし、左手に目をやると地蔵の頭に少し戻った方は疎林帯で雪付きも良く、かなり美味しそうな
パウダーも楽しめそうな様子だったので、こちら側に少しトラバースして滑ることにする。雪は安
定しており、スキー板でかなり衝撃を与えてもまったくズレない。
少し戻ってドロップポイントを確認 | ドロップイン直後の滑り |
ファーストトラックを刻む | 上部斜面を滑る |
さて、そこそこ急な30度以上の斜度の出だし。ファーストトラックを刻むべく最初にドロップ!
思ったより重めのパウダーだったがターンは出来る。
クラックや段差を気にしながら滑って、途中で他の2人が滑って来るのを待ったが、でり氏が大穴に
足を取られて転倒して雪の中でもがいている。
軽く膝を捻ったようでかなり痛そう・・。
なんとか立ち上がって滑り出したら、今度は自分が大きな落とし穴にズボっと嵌った。これは抜け出
すのに一苦労してやっと再滑走と思ったら真下にまた大きなクラック!
登り返すにもツボ足だと腰まで埋もれる新雪なんで段差の雪を崩しながら飛び降りるように越える。
あとの2人もこの辺を通過するのに一苦労。
クラックや穴だらけの急斜面 | 重めの新雪を滑る! |
やっと段差や落とし穴地帯を抜け出し、若干沢筋の雪も軽めな所を滑る。
しかし、今度は雪崩の危険のあるような沢がノド状に狭くなってる場所が多いので一人づつ警戒しな
がら滑る・・。
危険地帯の途中でTAKUちゃんが大きなザックを雪の中から発見! こんな場所で??
稜線からはかなり距離があるし、こんな雪崩の大きな危険のある沢筋を下から登って来る人もいる訳
ないし、遭難者??
一応、持っていたビーコンを受信モードに変えてみたが反応無し。ザックをここで回収して滑って行
くには無理なので、写真を撮って、身元の分かるような物はないかと中身を確かめたら携帯電話があ
ったので、これのみを回収してすぐに滑り再開。
重めの新雪の中をしばらく滑り降りてやっと傾斜が緩くなって犬川の流れも見えるようになってやっ
と一息。
しかし、ここからがまだ大変だった。
谷が狭くなってるノド部分 | 滑り易い斜面になったが、一瞬・・ |
雪が少なく途中1ヶ所雪が切れて渡渉するハメに・・なんとか板を履いたまま越えられそうだったの
で助走を付けて飛ぼうとしたら越えられずにドボン・・、足首くらいの水量だったので靴への浸水は
免れたが・・。これを見た2人は慎重に渡る。
更にその先でまた危ういスノーブリッジがあったがここはかろうじてスキーで通過。
斜度が緩いので時間がかかる。なんとなく去年3月の渡渉の多かった谷川万太郎からの毛渡沢の滑り
を思い出してきた・・。
際どい所の通過@ | 際どい所の通過A |
太陽がかなり上って結構汗だくで苦戦したが、最後は大きな堰堤を左側から巻いて越えるとスキー場
の林道の延長のような道になり、やがて遠見ゲレンデが見えて来てスキーも走るようになってきた所
で遠見ゲレンデ下部のコースに出て終了♪
雪不足のためかなり苦戦して予想より大きく時間をロス。
すぐに五竜のゴンドラに乗って2回戦目の北尾根を目指す。
手負い?だが一応余裕のポーズのでり氏 | 五竜の遠見ゲレンデに到着 |
さて、休む間も無く2回戦目!
ゴンドラ終点ででり氏と別れ、2人でまた一ノ背髪へ登る。
ここはリフト1本使った方が楽に登れるのだが、リフトには乗らないというTAKUちゃんにお付き合い
してリフトには乗らずゲレンデ内を白い目で見られながらゴンドラ乗り場から地蔵の頭の東側を巻い
て一ノ背髪に向かう。
既にかなり遅い時間で天気も下り坂。
やや疲労気味の体をムチ打って登る。斜面は既にツボ足トレースやらシュプールやらでギタギタで登
り難い。
さて、2回戦目の登り・・ | 一ノ背髪にて滑走準備 |
稜線はかなり風が強くなって来て北西側はガスもかかり始めたので少し焦り気味。一ノ背髪手前の
ドロップポイントで滑走準備して、今度は北尾根(平川)を滑る。
地吹雪気味の中ドロップイン!
最初はやはり雪崩を警戒して尾根沿いに滑る。
強風の影響でシュカブラ状になっていたので、ちょっと滑り難いが次第に疎林帯になると雪も軽い
パウダーになって滑り易くなる♪
ドロップ直後の尾根筋 | まずまずのパウダー♪ |
ルート取りが少し難しく、支尾根が分かれたりしていたので慎重に地図を確認しながら滑る。
疎林帯の斜度がキツくなったり、緩くなったりしながら滑るがさすがに北斜面だけあって軽いパウ
ダーで滑り易い♪。
疎林帯の滑り | 滑った斜面を振り返る |
途中尾根が細くなった所を過ぎて更に下り最後は沢状の樹林帯を滑って行くと先に平川の流れが見え
てきた。堰堤の下の左岸では八方沢からの流れの小さなスノーブリッジを恐る恐る渡るグループの姿
が見えてきた。
八方沢下の危ういスノーブリッジ | 平川の渡渉点を確認 |
平川のすぐ横で板を脱いで、大きな堰堤のすぐ下を渡渉。足首程度の水量だったが距離が長い。
その後さっきグループの渡っていた小さなスノーブリッジを越えしばらくダラダラの登りを板を担い
だまま登って林道の少し高くなった場所で板を履いて林道滑り。トレースがしっかりついていて高速
道路状態。
平川の渡渉は板を担いで・・ | スノーシェッドの大きなつらら |
途中で先程のツアーらしきグループを抜いてスノーシェッドの中を越えて更に何人か追い越しながら
高速道路?を進む。板が滑ってほとんど止まることが無い。
ただボードの人はこの林道滑走は少し苦戦気味。
最後の渡渉点は大きな堰堤の一番下 | 最後の渡渉(浅い) |
右手に大きな堰堤がいくつか見え、最後は47スキー場奥の大きな堰堤に到着。
一番下の段の更に下が渡渉ポイントになっていて、ここを渡渉して土手を登って圧雪された道を滑っ
てスキー場横の駐車場の車の横まで滑って到着。
駐車場のすぐ横まで板を履いてこれた♪ |
2本目は時間に追われて余裕があまり無かったがなんとか無事降りれた♪
おまけ
この日は大きな失敗二つ。
一つ目はGPSにルートのデーターが取り込まれていなかったのでGPSが使えなかったこと。良く確認し
とかないと・・・
ま、確かにGPSは楽チンだけど・・あまり安易に頼るのは考えモンです。
たまには読図して良く確認しながら進むことも大切。勘を失ってはいけないので。それでもなんとか
ルート取りはほぼ完璧だったので無駄なく滑れて良かった♪
二つ目は靴を歩行モードで滑ってしまったこと(北尾根側)
滑り難くて??と思っていたのを新しい板のせいにばかりして確認はバックルばっかり・・こんな初
歩的なことを見落とすとは・・。
あとはこの一ノ背髪の感想
北尾根側(平川)はBCのお手軽ルートで僅かな登りで美味しい思いが出来るせいか、大勢の人が入っ
て来る。ガイド付きBCツアーで来てる人も多いが、中には初心者らしき人も多いし、中にはまったく
の手ぶらでスキーだけツボ足で担いで登って来た人もいたので驚いた! 案の定、渡渉ポイントを安
易に下って行ってしまって渡渉地点を探しながら右往左往していたようで、、他にもちょっとかなり
危なそうな人も多かった・・
確かに登りは楽だけどルート取りや渡渉、雪崩の危険あり、あまり安易に入らない方がいいでしょう。
このままだとまた何か起こりそうな気が・・・。。
南東斜面(犬川)も岳人に紹介されたはいたものの、NET上で検索しても、山スキーMLでお馴染みのテ
レマーカーの方の記録位しかHITしなかったようで、あまり滑られてないようだ。確かに斜面は急だし
雪崩やその他の危険も多いので、かなり難易度は高いと思った方がいいでしょう。
今回のGPS軌跡データーはこちらです。
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