山 行 記 録 No.101  

十石山(2525m) 山スキー

【日程】 2006年 2月 5日(日)   【メ ンバー】  TAKUさん・MINMINさん・お気楽 3名
日帰り      自宅 →(車)白骨温泉 → 1620m付近 → 1890m付近 → 2160m付近 → 2420m付近
曇りのち晴れ  2:45       7:30/8:02    9:00/9:05       10:00/10:10   11:05/11:15   12:10/12:15 
山頂は吹雪   避難小屋 → 1800m付近 →  白骨温泉  →(車)乗鞍温泉  →  (車)自宅

          12:55/14:02  15:20/15:25    16:02/16:20       16:45/17:40         21:40
注)登りのタイムと標高は適当です、正確ではありません
自己評価   眺望??★★/達成感★★★★/危険度★★★★/疲労度★★★/総合評価★★★
     
    
天気も回復した帰路1800m付近からの眺望 山頂近くの避難小屋(photo by MINMINさん)

はじめに
スキーor山スキーに行かない週末が2週空くと退屈だし、どっか行きたいと検討していたが、何せ
大雪&雪崩のニュースが多くて出来るだけ雪崩の危険が少ない山を考える。やや急なオープンバー
ンが好きな自分にとっては、危ない場所ばかりで、疎林や斜度の緩い所が安全な場所となるがイマ
イチ醍醐味に欠ける。(やはり3月まで待たないとダメか・・)そう考えているうち、前回の神楽
に当初行く予定だったMINMINさんから週末天気の良さそうな四阿山、いつもの相棒のTAKUちゃんか
らもうちょっと刺激が欲しいんで少しハードな十石山にでも行こうという話があった。

十石山は疎林帯だがかなり魅力ありそうなエリアなので行ってみたい気持ちが強かったが、標高差
が1100m以上で登りに5〜6時間かかっている人が多く、しかも厳冬期なので厳しい山行が予想さ
れる。ちょうど体調も風邪で水曜日には会社を休んで病院で点滴までしていて、まだ不十分ながら
もせっかくのチャンスだし日曜日には冬型も弱まり疎林帯の軽〜いパウダーも期待出来そうだろう
・・・ということで全員行きたいという十石山に決めた。。

山行記

早朝に出発、途中MINMINさん・TAKUちゃんをピックアップして登山口の白骨温泉を目指す。心配し
ていた天気は予想していたより冬型が弱まるのが遅れ、島々を過ぎたあたりから雪がチラチラで風
も強そう。途中乗鞍温泉で小休止して様子を見て白骨温泉の林道の料金所に行く。(雪は止んでい
た)
ここで駐車スペースを探そうとしたところ、先に到着していて出発準備していた人で見覚えのある
ウェアーの人を発見!。なんと前回神楽で一緒に滑ったかっきーさんだ。。更にやはり前回一緒だ
ったきむひろさん大ちゃん&関西からよっしーさんとたかこさんと5人パーティーだった。それ
にしてもすごい偶然で驚き!!。この世界が狭いというのか、こんな場所で同じような時間に遭遇
したことがビックリだ。しかも彼らは皆パワーのある山ヤさんたちなので心強い・・。彼らがいる
だけでかなり安心感が得られた♪。
(ラッセルよろしくお願いします・・ペコリ)

スーパー林道料金所横の駐車スペース 偶然の遭遇にビックリ

料金所横の駐車スペースは5〜6台程度だったが停められた。早速準備して出発。偶然遭遇の5人
組の皆さんは準備が先に完了していたので先に行っていただき、我々3人は10分位後に出発。
(この日の入山者は我々以外は単独行氏が前と後ろに1人づつの2人だけ)

全員で記念撮影♪(photo by かっきーさん) 林道からの取付点

林道の3個目のヘアピンから取り付いて樹林帯をトラバースしながら登って行く。トレースが分か
れてルートが分かりづらかったが早めに高度を上げていったほうが良さそう。(帰りに分かったが
ここの取付点から入ってすぐに上に登りコンクリートの建造物の上をトラバースして取り付いた方
が楽)
樹林帯のトラバースはすぐに終わり、少し広い平らな所に出ると夏道の看板が出てくる。
ここまでは樹林帯なのと風向きがちょうど山に遮られるためか思ったより吹いていないので、ここ
ではまだあまり寒さは感じない。天気は曇りで時々薄日も差す。

トラバースが終わると夏道の看板 疎林帯のやや急な登り

看板の先のあたりから左手の斜面に取り付いてやや急な斜面を登る。疎林帯で滑るには手頃な斜面
で帰りが楽しみだが新雪のパウダーが20cm程度でその下はクラスト気味なのが気になる。先行して
いたのは1人+さっきの5人と思われトレースはバッチリ。
やや急な登りが終わると平らな標高1800mの緩い斜面のトラバース、少し下りが入ったので帰りが
登り返しになりそうだ。
ここから右手の尾根沿いにトレースを追って登って行く。地図で見た印象だと最初の急な登りと同
じかそれ以上に急かと思ったがさほど急な感じはしないであまり苦労はしなかった。
(ほぼ夏道に沿って登る)

1時間毎に5分〜10分程度の休憩を取りながら登って高度を上げていくと次第に風が強くなる。
2300mを過ぎたあたりから寒さが増しトレースも消え見通しも極端に悪くなる・・。

樹林帯の登り(photo by TAKUちゃん) この辺りでトレースも消える(photo by よっCさん)

森林限界を過ぎるあたりで先行して出発したかっきー隊5人組が滑り降りて来たが(避難小屋で宴会
やってるだろうと思って、ゴチになろうかと思ってたのに・・残念)
山頂は猛烈な風とクラストした状態と話ていた
ので、自分としてはここらで撤退して一緒に滑り降りた方が無難かなと思っていた。
が、同行のMINMINさんから「えー山頂行かないのー・・」という声。お〜、さすがにマッターホ
ルンまで登って山慣れしていて気合も体力も違う・・・。降りてきたよっしーさんの話だと登り
もあと15〜20分位らしいのでもうひと頑張りしようかと登っていく。

しかし更に猛烈な風と、雪はそれまでのパウダーからシュカブラ・クラストした状態になり、地
吹雪もひどく視界もきかなくなる。そこに単独で登頂して避難小屋から降りてきた群馬の人(山
スキーMLで川島さんと判明)が滑り降りてきた。たまらずもう避難小屋で寒さを凌ごうと避難小
屋の方向を教えてもらい向かう。視界も落ちてすぐ近くなのに見つけづらかったがなんとか前方
右手に見つけ早速避難・・。(避難という言葉がピッタシ・・)この寒さと風の中、山頂でシール
を剥がすのに難儀しそうなのでホッとした。

(後で地図を見ると山頂まではあと標高差で20m以下になってたようでちょっと残念だったが・・皆さん山頂踏
めなくてスンマセン・・)

十石避難小屋の冬期入口 避難小屋内の寒〜い様子 (壁も天井も凍る −12℃)

避難小屋の中は勿論外よりマシだが寒い・・(中で−12度)。しかもザックの中に入れていたペッ
トボトルは完全に凍結、おにぎりやバナナもカチカチで食えたもんじゃない。チョコレートだけは
問題無かったが・・。
手袋の中に途中から小さなカイロを入れていたが指先は冷えて感覚が無くなったので更にカイロで
暖めても感覚は戻らない。あまりの寒さに口も聞けず会話に加われない。。
脱いだ帽子も内側も外側もカチカチに凍っていて、再度被る気になれない・・・(>_<)。
(外はもっと気温低くて強風・・いったい体感温度は・・・)

少し休んで落ち着いてから滑走準備。また外に出るのも大変だが早めに樹林帯の寒くない場所まで
降りたい。外に出るともう寒さで思考回路も回ってないのか、さあ準備OKで出発〜・・と思ったら
TAKUちゃんに「ザック忘れてますよ」・・と言われ思わず苦笑い。。
上部のパウダーのシュプール 樹林帯をぶっ飛ぶTAKUちゃん

やっと出発。少し空も明るくなったので一応景色を確認するが乗鞍も穂高も霞沢岳も見えなくて残
念・・。
最初はシュカブラやクラストした斜面を右手にトラバースして登ってきた道のあたりを確認しなが
ら滑り始める。すぐに快適パウダーとなったが短くすぐに樹林帯に突入。樹林が密で迷うと大変な
ので、最初から最後までTAKUちゃん・MINMINさん・自分の順で止まるたびに必ずお互いに姿を確認
しあいながら滑っていく。
途中で滑っていく方向がちょっと右に寄っていると感じた。この辺りは小尾根があり勘違いすると
間違った方向に行ってしまう。なんとなく違っていたようなのでMINMINさんのGPSで確認するとや
はり右に行き過ぎていたので念のため登りのトレースを見つけるまで左にトラバースして戻る。
こういう時はGPS様々で、方向が分かり難い樹林帯の山ではやはり保険として持っていく必要があ
りそうだ。

トレースに戻ったらなるべく外さないようにしながらも樹林を縫うように滑っていく。荒らされた
所でもノートラックの所でも雪が軽いので構わず突っ込んでいける♪。しかもいつのまにか寒さを
忘れている・・(笑)

粉を飛ばす・・・・(photo by TAKUちゃん) 樹林を抜ける (photo by TAKUちゃん)

1800m付近の登り返しはかったるかったが面倒なのでシールは貼らずに登って行く。このあたりで空
は完全に晴れてきて景色が楽しめたがちょっと遅きに失した感あり・・。

そして楽しみにしていた最後のやや急な疎林帯。パウダーだったがやはり少し層が薄く、滑ってい
る途中で底のアイスバーンが付いてしまったのが残念。(体重が重くて板が短いせいか他の2人は
あまり気になってない様子)
ここの斜面が一番良かったがあまり長くはなく、あっという間に終わってしまう。

樹林帯の上に広がってきた青空 夏道の看板

最後は樹林帯をトラバースして林道を少し滑ると出発した料金所に着いたがさすがに写真や動画を
撮りながらゆっくり滑り降りてきたため先行の5人の方々はもういなかった・・・残念。。

あと一滑りを残してリラックス(photo by MINMINさん) 無事出発した料金所に戻る

滑り終えた後はいつも速攻で家路に着くが、この日はさすがに冷え切った体を暖めたいのとせっか
く近くに名湯があるので、白骨の泡の湯か乗鞍のゆけむり館に寄ろうと思ったが、泡の湯はこの時
期17時迄であまり時間が無いので乗鞍に向かったら、ゆけむり館は駐車場が満車状態・・これは混
んでて落ち着けなさそうなのでパス。スキー場近くのこまくさホテルの風呂に入った。露天は無い
が勿論温泉でしかも\500で貸切状態で正解、冷えた体が暖まってホッとした♪


帰りの中央道は渋滞も無くすんなりと家に着けた。。

 

おまけ
今回は厳冬期でしかもこの冬一番の寒気に覆われていたのは分かっていたつもりで、普段持たない
使い捨てカイロやオーバーグローブとかも持っていったが、行動時間の長さをあまり考慮していな
かったか・・。(指や耳が軽い凍傷になってしまった・・。)
厳しい冬山も今までは瞬間的なら同じような経験もしていたかもしれないが、やはり長い時間行動
するとなると別物だ・・。軽量化と装備の充実は両立が難しい・・と言いながらも、やはりもっと
持っていく物を真剣に再検討しなければいけないっすネ・・。GPSも欲しくなった。その前にホント
はもっと基本的な物??もそろえましょ・・・。

ということで、今回は冬山のいい経験&勉強になった・・。

しかし厳しいながらもやっぱり山スキーは楽しいもんです♪

一緒に行った皆さん&お会いした皆さんお疲れ様でした。
またよろしくです(^-^)。。



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