山 行 記 録 No.148
唐松岳(2696m) 唐松沢本谷 山スキー |
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【日程】 2008年 4月 12日(土) | 【メ ンバー】 TAKU・お気楽 2名 |
日帰り 自宅 →(車)糸魚川 → 白馬村八方 →(ゴンドラ・リフト)八方池山荘 → 雨のち曇りのち 1:30 5:40 6:50/10:40 11:05/11:20 晴れのち曇り 八方池 → 丸山ケルン → 唐松山荘横 稜線 → 唐松沢本谷ドロップポイント→ 12:05/12:10 13:15/13:30 14:20/14:31 14:37/14:49 南滝(高巻)→ 奥二股 → 二股(おびなたの湯) →(タクシー)八方 →(車)自宅 15:45/16:18 16:44/16:50 17:59/18:15 18:20/18:30 22:25 |
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自己評価 眺望★★★★☆/達成感★★★★/危険度★★★★/疲労度★★★☆/総合評価★★★★ |
唐松岳と手前鞍部が唐松沢本谷ドロップポイント | ドロップポイントからの唐松沢本谷 |
はじめに
山スキーもいよいよ残雪期に入って標高の高い所・・北アルプスにも足を踏み入れる季節。
シーズン絶好の3月最終&4月初めの週末を山スキーに出掛けられなかった腹いせ?をどこにぶつ
けようかと思ったが、仕事がまだまだ忙しく出張帰りで体力的にもかなりバテ気味。
当初は焼山にリベンジに行くつもりだったが、疲れもあったので登りの少ない唐松沢のdルンゼか
本谷がいいかな・・と思ってたら予定の5日前〜前日にかけて雨模様のぐずついた天気。標高の高
い山は雪で条件も悪そうだし、4年前の同じ時期に同じような場所でMLでお馴染みのIさんが雪崩
で亡くなったことも頭をよぎったのでやっぱり焼山にしよう!と同行のTAKUちゃんと協議。
結局早出で焼山に向かうことにしたが・・・
(カメラの調子悪く写真イマイチです・・同行のTAKUちゃんの写真も借りしました)
山行記
当日焼山に向かって関越〜上信越道で向かうも信濃町ICあたりから雨と霧。。能生ICに着いても同
じ状況・・。急にヤル気が失せる。そこに笹倉温泉から火打を予定していたいつものメンバーから
メール。糸魚川のスーパーの駐車場にいて火打は中止とのこと。こちらも焼山は諦め転進先を考え
てたので糸魚川まで行って合流するも、完全にまったりでヤル気無しモード。
ではこちらは2人でとりあえず八方のゴンドラまで行って天気の状況次第でガラガラ沢・無名沢・
唐松沢本谷あたりを狙うことにした。まだ時間も早かったのでロープウェイの始発も楽勝に間に合
うので早速車を走らせる。
しかし、白馬村まで行っても小雨で山はガス。
こちらも完全にヤル気を失いロープウェイ乗り場前に停めた車内で仮眠というかフテ寝。
8時前になるとロープウェイに乗り込むスキー客で混雑してくるが天気は変わらず。携帯の天気サ
イトは午後から回復して晴れ間も覗く予報だが朝はダメか・・。
更にふて寝していると少し空が明るくなってきたので、車で周辺を巡回。一ノ背髪の五竜方面の状
況を見に行ったり、ハクノリ方面の山を眺めるが大差は無さそう・・更にウダウダしてると時間は
もう10時を廻ってしまい、このまま帰るか軽くガラガラ沢でも滑るか検討の結果ガラガラ沢か無名
沢でもいってみるかということに決定!
やっと準備してロープウェイに乗り込む。
スキー場は下の方は雪が無いのに結構な混雑。
リフト2本を乗り継いで八方池山荘に着いた時はまたガスが濃くなる。
無料駐車場のあるゴンドラから近い八方国際ペアリフト | 最上部グラートリフト終点(八方池山荘横) |
やっぱりダメかと諦めながら、11時をかなり過ぎた時間から登り始めると、急に空が明るくなって
前方右手に白馬三山がうっすら顔を覗かせてくれた♪。
急にテンションが上がって足取りも軽快になる。
天気は急回復♪ | 白馬三山をバックに・・思わずグー! |
八方池手前のガラガラ沢のドロップポイントあたりに着くと数名のボーダーが様子を窺っている。
八方池で軽く休憩してるとあまりの天気の急回復ぶりで、このまますぐ滑り降りるのももったいな
いし、時間も12時を廻ったばかりなのでもうちょっと登ってみようということになった。
八方池付近 | 下ノ樺付近を登る |
八方池から上を眺めると何パーティーか尾根を登ってる人達も見える。先行者は下の樺から上の稜
線を忠実に登ってるいるが我々はトラバース気味に南面をショートカットしてどんどん行き丸山ケ
ルン横で少し休憩。天気が良くて紫外線も強烈になってきた。
2500m付近を登る、背後には頚城三山も・・ | 唐松岳と不帰三峰をバックに最後の登り |
その後もシールで登り続け、右手の唐松沢をチェックしながら更に登り、最後の細くなっている所
はかなりクラストしていたがなんとかシール&クトーで唐松山荘横の稜線まで登り切った。
唐松岳とdルンゼ(右の白い大きな斜面)&唐松沢本谷(左の鞍部下) |
結局ここまで来たら八方尾根を降りるのではなく時間的にはギリギリだが唐松沢本谷を滑ること
に。唐松岳に登頂してdルンゼに行きたかったが、時間的に厳しいのでまた次の機会に・・
稜線より唐松岳(左)と五竜岳(右) |
稜線からは剱や立山が見え、登ってきて良かったな〜と実感♪
雲海に浮かぶ剱と立山 | 唐松山荘 |
さて唐松山荘から唐松岳への鞍部が唐松本谷へのドロップポイント。
雪質をチェックしようとしたが南面はあんなに緩んでいたのに東面のここはカチカチにのアイスバ
ーン。なんとかエッジはかかるので行っちゃうことにする。ビットチェックなんてスコップが刺さ
りそうもないので雪崩はブロック雪崩だけ心配だが大丈夫そう。
本谷の斜度はそこそこだがホントに急なのは最上部のほんの僅かで恐怖感は全く無い。
ただ、この硬い斜面をどうかわそうかということで頭が一杯。
真ん中は雪庇があるのでドロップするのは右か左かどちらか確認すると左手の方が若干行き易そう
なので左側からドロップイン!
ドロップポイントより唐松沢全景 | ドロップ直後の滑走(TAKU) |
やはりカチカチのアイスバーンでターンに失敗してコケたりするとかなり危険!。。
少し斜度が緩むまでは横滑りで逃げながらの滑り。
その後は慎重にターンをしながら滑る。少し縦溝が入ってる所も出現してきてターンする場所もか
なり気を遣う。
板がまだ新しくエッジの切れもいいので助かったが、あまりのアイスバーンでターンの時に振動が
多いので、ビンディングが滑ってる途中で空外れでもしないかとヒヤヒヤしたが大丈夫だった。
アイスバーンでターンしても雪煙が上がらない・・(TAKU) |
いきなりのアイスバーンの洗礼で足は早くもパンパンに張って疲れる。
dルンゼとの合流まで行くと斜度はだいぶ緩み、今度はデブリが目立つようになる。
吸い込まれるような急斜面(お気楽) |
デブリを避けながら右岸側の高みを滑るが、雪もかなり軟らかくなってはいるが滑り難い。
既にこの辺りで足はかなり疲労気味・・。
危険地帯脱出♪ | 広々オープンバーン♪ |
デブリ帯を過ぎると雪はさらに緩みややモナカ気味から滑り易い雪に変わった。
やっと滑り易くなってノビノビと滑る♪
広い斜面を快適に滑る♪(TAKU) |
しかし、快適斜面も長くは続かず、前方に大きな岩が出現。
噂の南滝のようである。
右岸側に高巻くツボ足トレースがあったが、スケベ根性出して左手の滝見物に・・あわよくば高巻
せず滝の横をそのまま通過したいとこだが・・
近付くと滝が音を立ててゴーゴー流れている。右側の雪は付いているように見える。TAKUちゃんが
先に見に行ったがその先がどうなてるかイマイチ良く見えないという・・。
一応安全策を取って諦め高巻きするために登り返すことに。同じように覗きに行ってダメで登り返
すことにした人のトレースを使って登る。割と時間がかかってしまう。
そろそろ南滝 | 南滝を上から覗き込む! |
高巻いて少し滑り滝の正面に出てみたが雪はなんとか繋がっており、降りられないこともなかった
ようだが、最後がちょっと急だったかもしれない。
南滝横の雪はかろうじて繋がっていた | 堰堤手前の泥デブリ・・ |
その後は泥混じりのデブリ帯が出現。ここら辺りは無名沢からの先行者もあったせいかトレースを
作ってくれていたので助かる。そして先に大きな堰堤が見える。ここはどうやって行くんだと思っ
たら、やはり左側を高巻きしたトレースを辿ってクリアー。
あとは傾斜が落ちた所で奥の二股で渡渉点。
水量がやや多く危うくコケそうになったがなんとか渡って、その後は軽い登りになって左手に池を
見ながら後は林道を緩々と滑り降りる。
堰堤を無事クリアー | 無事渡渉 |
次第に雪少なくなり板を脱いだり履いたりを数度。
最後は雪が全く無くなり、板を担いで林道歩き。
最後は板を担いで林道歩き | 二股に無事到着♪ |
出発がかなり遅かったので日没ギリギリで二股に無事到着。おびなたの湯も既に終了していて、
タクシーを呼んでゴンドラ乗り場そばの車まで戻る。
時間が遅かったので高速の通勤割引適用狙いのため温泉にも入らず真っ直ぐ家路についた。
おまけ
唐松沢本谷はスリリングで面白かった。dルンゼより狭いので難度も少し高いと聞いていたが、さほ
ど窮屈な谷でもなくいい感じの斜面だった。ただ雪はかなり硬く苦戦、硬いのも恐らく時間帯がどう
のこうのというレベルではなかったようだ。雪が硬い場合はかなり危険度も増すので八方尾根を大人
しく下ることを考えた方が良さそう。
又、1週前にデブリがほとんど無かったというレポが信じられない位デブリも多かった・・。なかな
か快適な時期を当てるのが難しいなという印象。
今回のGPSデーターはこちらです。(重いです)
※あくまで参考程度に御覧下さい。条件によってルートは大きく異なりますので・・。
※このルートは条件によっては大変危険です!
充分な下調べとコンディションの見極めが必要です。
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