山 行 記 録 No.107
谷川岳 熊穴沢 山スキー |
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【日程】 2006年 4月 9日(日) | 【メ ンバー】 きむひろ・てんきんや・moto.p・よっしー こてつ・TAKU・お気楽 7名 敬称略 |
日帰り 自宅 →(車)土合口 → 天神平 → 熊穴沢避難小屋 → 肩の小屋 → 熊穴沢避難小屋 吹雪 3:55 6:25/7:10 7:20/7:30 8:23/8:24 10:12/13:00 14:05/14:10 のち晴れ 土合口 → (車)自宅 14:50/15:30 18:10 |
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自己評価 眺望★★☆/達成感★★☆/危険度★★★/疲労度★★☆/総合評価★★★ |
熊穴沢中間部(左上は西黒沢) | 熊穴沢を振り返る |
はじめに
今年から山スキーに何度か一緒に行っているきむひろさんやてんきんさんの仲間のよっしーさん、
こてっちゃんが関西から遠征して谷川に滑りに来るとのことで、週末は土曜日一緒に滑る予定して
いたが、土曜日は低気圧の通過で寒冷前線通過で荒れ模様。あいにくの天気なので日曜になんとか
行こうと検討していたが、低気圧が通過した後も上空に寒気が残り特に新潟あたりはもろに影響が
ありそう。
谷川は滑るなら赤谷川源流〜万太郎山〜毛渡沢〜土樽までのコースで滑ろうと計画していたので、
とりあえず回復を期待して行ってみたが・・・。
山行記
日曜は都合があまり良くなかったTAKUちゃんも前日遅くになんとか行けることになり、早朝待ち合
わせで出発。
天気は予想通り関越沼田あたりから悪くなり水上IC手前からは雨、山は新雪で白くなっており谷川
は相当降雪があっただろうと推測出来る。湯檜曽あたりからみぞれに変わり、谷川ロープウェイ乗
り場あたりで雪に。これはかなり厳しい山行になりそうだ・・・。
ロープウェイの乗り場で皆さんと合流、関西組と関東組では初顔合わせのmoto.pさんと今回は総勢
7人、車を1台土合駅にデポして早速準備して出発。
天神平でロープウェイを降りた時は完全に雪で風もある。
これはレストハウスで休憩かと思っていたら、即皆さん戦闘モードで出発態勢。あらら・・、自分
も慌てて準備して気合を入れ直して出発!
他にも山スキーやらテレマーカー、ツボ足含めて15人位が登る態勢。我々は早速モトPさん・よっし
ーさんがラッセル開始で後に続く。予想通り新雪が30〜40cmあるがガンガンラッセルして登っていく
。(自分はついていくのが精一杯)
天神平で早速出発準備(PHTO BY よっしーさん) | 熊穴沢避難小屋手前の急な下り(PHTO BY よっしーさん) |
天神尾根途中の夏はクサリ場になっている急斜面で一旦全員揃うがまた離されていく・・とにかく速
いので置いていかれる・・・。熊穴沢避難小屋の積雪は2週前より更に増えていた。
ここまでは風は向かって右寄りから吹き付けていたが、左寄りからの風に変わり徐々に強くなる。見
通しも悪くなり先頭のラッセル隊も見えなくなる事も多くなる。また自分より後にいるこてっちゃん
も見失わないように時々確認。
なんとか離されないようについていくがかなり上の尾根上の岩のあるあたりで風で飛ばされてコケて
からは完全に前の人が見えなくなり、更に岩陰のシュルンドにズボっとはまり胸まで落ちたりしてい
る間に完全に見えなくなる。風はさらに強くなって視界はゼロ。ここから歩行中に何度か風で飛ばさ
れコケる・・・。肩の小屋に早く着いて逃げ込みたいが全く視界が無いのでGPSで位置を確認したら
肩の小屋は直線で250m位なので一安心。なんとかこてっちゃんと2人でジリジリ登って行くと、前
の5人が小屋手前で待っていてくれていて「おーい」と声はすれど姿みえず、モトPさんが少し降り
て合図してくれた♪(感謝)。
やっとの思いで肩の小屋に逃げ込んで休憩。
雪が更に増えた熊穴沢避難小屋 | 肩の小屋で寛ぐ |
2月に十石山に行った時の山頂付近と似たような荒れ方だったが、今回の方が風が強く視界は更に悪
かった。ただ気温が低くなかったのでまだ余裕があった。
小屋の中は先発の人達7〜8人と後から6人位が来て満員。
外に比べれば遥かに暖かい。
長い休憩を取ってさてどこに滑ろうかと検討・・。
万太郎にこだわっていたのでそのまま万太郎谷に滑り込むかと意気込んで出発。
と、「えー、ピークには行かないんですか?」とよっしーさん。皆「・・・。」まだピークを踏んで
ないのでせっかく関西から遠征でしかも百名山なので是非とも踏んでおきたいのだが外は・・・、晴
れてれば5分位で行ってしまうが・・だれも行きたいと言う人はいない。
しかし、ここで優しいてんきんさんときむひろさんがお付き合いしてピークに御案内。
その間残りの人達は小屋で待機。そしていよいよ勇んで行こうかとするが、相変わらず猛烈な風で視
界ゼロ。
上部はホワイトアウト | 視界不良で平衡感覚も失う・・ |
時間もあまり無さそうで土樽からの電車も遅いのになりそうだし、滝やら水流やら落とし穴がどこに
あるか分からないのもキツイし危ないのでおとなしく来た道を戻ろうということになった。
しかし完全ホワイトアウトで方向も良く分からないが方位で検討をつけて全員が揃って迷子にならな
いように降りる。自分とTAKUちゃんだけ板を履き、残りの5人は板を担いで少し降りる。あまりに方向
が分からずなんとなく左に行ってるような気がしたのでGPSで確認したところ西黒尾根の方に進んでい
るので、右にトラバース気味に進路変更。しばらく進むと天神尾根らしき所に出る。ここで全員板を
履き、少しづつ降りると赤布の目印が付けられていてGPSでも登りの軌跡に戻ったことを示していたの
でホッとした。
方向を確認しながらの滑り | 熊穴沢避難小屋上の斜面 |
それでもまだ方向が良くつかめないのでGPSを手に持って見ながら滑り降りる。少しづつ高度を下げる
と次第に視界が利くようになる。やっと落ち着いてきたが尾根上は雪が悪くて滑りにならない。下が
見えないので吹き溜まりに突っ込んだり急にクラストした所が現れたりで尻餅数度と、どうでもよく
なった状態でやっと熊穴沢の避難小屋に降りる。
熊穴沢上部 | 上部の疎林帯 |
ここで更に視界が良くなり熊穴沢を見渡せるようになるとやっと滑走意欲が湧いてきた。
ここで小休止の後、雪崩を警戒して真ん中の急斜面のオープンバーンを避け、向かって右手の樹林帯
方面にドロップ。雪は重めながら一応パウダー。これまでの荒れた斜面とは違いかなり滑り易くなる
。出だしの急斜面が少し緩くなったところで沢の真ん中を滑る。相変わらず重めパウダーだがなんと
か板は廻す事が出来てやっと滑りに来た〜って気分♪
一番快適だった所 | この辺りは皆さん苦戦気味 |
天気もやっと晴れ間も出て青空も顔を出す。重々しい気分が天気と共に晴れてきた♪。(←単純)
西黒沢との合流手前あたりからは斜度は更に緩くなり若干楽しめた滑りもこの辺からは惰性の滑りに
・・。西黒沢はデブリの古いのは左の方に見えたが新しいデブリは無く滑ってみたかったな〜と眺め
る。。
中間部より下は広々 | 天気も回復した西黒沢合流点付近 |
このあたりで赤い大きな布のようなのが落ちていたらmoto.pさんが拾い上げて大喜び。??何かと思
ったら肩の小屋近くの山頂に近い場所で風で飛ばされたザックカバーがなんとここまで風に乗って?
落ちてきていた。この日の風の凄さを実感したが、一番楽しんだのがこのザックカバーだったのか・
・・(笑)
天気も回復した熊穴沢下部 | 滑走終了! お疲れ様でした・・ |
最後は天気も回復した緩い斜面をダラダラ滑り、途中左手の沢に注意しながら滑ると田尻沢のコース
と合流。ここからは圧雪された斜面を一気にとばしてロープウェイ駅下のカーブの所に降りて終了。
お疲れ様でした。。
帰り仕度して車で走り出すと土合駅横の踏切が閉まる。。なんと土樽から帰りに乗る予定の電車だ
ったのは御愛嬌か・・・(苦笑)。
おまけ
この日は前日に低気圧の通過した後で寒気が残り猛烈な風。
真冬の山登りとなったが、ほぼ真冬並みの服装で行ってよかった。。(ナメたらマジヤバでした)
又、この日の北アルプス方面は雪崩による遭難事故が相次ぎ、ほとんどが山スキー目的の入山者。谷
川は天気の回復が遅かったのと気温が低いままだったのか雪崩も発生しておらず、新しいデブリも見
当たらなかった。西の方は天気の回復が早く気温が上がったからなのか??
毎回山スキーに行く時は天気を数日前から降雪や気温の状況、高層天気図等を分析してから出かける
が、今回は思ったより寒気が強く、気温の低下や強風の吹き具合が大きかった。
今後も充分注意していきたい。。
今回のGPSデーターはこちらです。
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