山 行 記 録 No.126  

谷川岳・赤谷川源頭・万太郎山 山スキー

【日程】 2007年 3月 24日(土)   【メ ンバー】 てんきんさん・ TAKUさん・お気楽 3名 
日帰り      自宅 →(車)谷川ロープウェイ土合口 →  ロープウェイ天神平駅 → 熊穴沢避難小屋 →
晴れ時々曇り   4:00          6:30/7:02             7:12/7:18             8:07 
のち雨      肩の小屋 → オジカ沢の頭 → 赤谷川源頭部万太郎取付点 → 万太郎山 山頂 → 

            9:18/9:28     10:32/10:44       11:25/11:40            13:40/13:55  

          群大ヒュッテ → 土樽駅(電車)→ 土合駅(車) →  自宅
           16:35/16:38     17:57/18:12     18:22   
自己評価  眺望★★★★/達成感★★★★/危険度★★★/疲労度★★★★/総合評価★★
     
    
赤谷川源頭を滑る 肩の小屋付近よりオジカ沢の頭、万太郎山方面

はじめに
この3月の下旬から4月上旬は山スキーシーズンもベストでどこに行くか悩むとこ。
谷川もこの時期がベストと思われるので前々から行きたかった赤谷川源頭〜万太郎山越えの毛渡沢
〜土樽のコースに行きたかった。
天気予報は午後から崩れて雨の予報だったが朝までは晴れとのことだったので、なんとか速攻で行
こうと思い、一応雪の状態によっては芝倉沢なども考慮に入れながら行ってみることにした。
しかしながら、山スキーMLなどにこの方面の情報が全く無いのが心配。いつもならいくつか必ず
レポがあるのだが・・雪不足で誰もいかないのか??


山行記


当日はてんきんさんの新車でPUしてもらい出発、途中TAKUちゃんと合流して谷川岳RWを目指す。
関越の途中からは武尊や谷川も綺麗に見えて一安心。
谷川RW駅に着いたが、始発まであまり時間が無いので急いで準備して始発近い時間に乗車。RW
から田尻沢コースや西黒谷からの下部の雪の状態を見るが、かなり少ない。。
天神平駅に着いて驚いたのは、山ヤさんが誰もいないこと。例年、この時期はBC系の人達が大挙し
て訪れるものだが、天気予報が悪かったのか、1人山ボーダーらしき人がいた以外はすべて普通の
ゲレンデスキーの人達(これも少しだけ)。
早速準備して登り出す。天気はまずまずで視界も良く北関東や上越国境の有名どころの山々はほと
んど見えている。朝の晴天の割には全然寒くない。

天神平スキー場からスタート 谷川岳も良く見え天気はまだOK

いつもの1ヵ所急な下りになって雪付きの悪い場所はなんとか板はを履いたまま通過。
熊穴沢の避難小屋は雪上に2m近く木の棒が出ていて、昨年と比べると2m程積雪が少ない。

次第に斜度が増す登りになるとクラストし出して、シールの効きが悪くなったため早めにクトーを
装着。TAKUちゃんは調子良さそうに遥か上の方をガンガン飛ばして登っていて、てんきんさんは調
子悪そうに少し前を行っている。肩の小屋まで2時間弱で着いたのでまあまあのペース。
天気は曇ってきたが視界は良く、晴天時に見える山はほとんど見える。

熊穴沢避難小屋の雪も今年は少ない 肩の小屋

早速一ノ倉岳や茂倉岳、万太郎谷の雪の状態をチェック。
驚いたことに万太郎谷の雪は滑るには程遠い状態!
藪突破覚悟で行っても厳しそうだ。

万太郎谷は雪が無い・・・ 一ノ倉岳と茂倉岳、こちらも雪が少ない

ここから目と鼻の先の山頂には行かず、シールを剥がしてオジカ沢の頭までの鞍部を目指して滑る。
いくらも距離は無いが、どうせシールは剥がさなければならないんで、ついでに滑ってみたが、小
屋に近い上部は笹がかなり顔を出し滑り難い。尾根もかなりのアイスバーンで慎重に滑って鞍部に
到着。ここでアイゼンを装着して、オジカ沢の頭目指して歩行。

稜線は結構細い所があり、一箇所3m位の高さを乗り越えるのに手がかりが無く、雪が中途半端に
軟らかいのでアイゼンは食い込んでもズル・・手も微妙に滑って自分にはヒヤヒヤ物の通過箇所で
あったが、さすがに雪山に慣れてるてんきんさんは難なく通過して行った。

西側の稜線から肩の小屋 肩の小屋下からオジカ沢の頭方面

オジカ沢の頭に着いたらまたまた赤谷川源頭をすぐに覗き込む。いや〜雪が少ない・・。稜線に近い
所は藪っぽくなっており、少し降りてから滑ることに。

オジカ沢の頭の標識 オジカ沢の頭直下の避難小屋

よくよく観察すると谷底に若干割れが入ってようにる見える箇所もあるためコース取りをどうするか
作戦会議。もったいないが、あまり高度を下げ過ぎずに谷底に降りないで少し右手をトラバース気味
に進んで様子を見ながら滑り降りることにした。折角の雰囲気の大斜面だが視界がイマイチですべて
が真っ白なので雪酔いしそうな感じだ。

赤谷川源頭部のオープンバーン

全般に固めながら少し引っ掛かる感触の雪面を慎重にターンしながら底に降りて、斜度の無くなった
広い谷を滑り左に大きく曲る所の万太郎山への尾根に取り付く場所まで時々漕ぎながら進むが、ちょ
うど取り付き辺りの谷が割れてるように見えたため、手前で止まってシールを貼りながら小休止。

赤谷川源頭部全景 赤谷川源頭部を滑る!

休憩後は右手の斜面をトラバース気味に進み、割れた谷を高巻きしながら万太郎山へつながる尾根に
取り付く。この辺りの斜面の雪はかなり固めでシールが効きづらくなってきたので、てんきんさんと
自分はまたまたクトー装着。クトーを持ってないTAKUちゃんは苦戦気味。シールだと滑るしツボ足だ
と膝上までズボズボハマって始末悪い。
固い斜面を登ると今度は笹藪と氷のミックスの斜面の登り。
見上げると笹が点々と・・雪少ねー・・。ボヤキも出る。。

相変わらずシールだと滑り易いがズボズボはハマらなくなりそうなとこまで登ってアイゼンに履き替
える。
準備に手間取り遅くなってしまった。。何度も登りスタイルを変えるのはサクサクやらんとマズイ。
(ザックももっといいのにしないとなぁ・・)

この時点で土樽発15時22分の電車はもう無理そうだ・・。

万太郎山への尾根(雪が少なく藪が・・) 万太郎山 山頂

アイゼン歩行で所々カチカチの斜面をつま先歩きで登り切りやっと万太郎山の山頂。視界はかなり
落ちてきているが正面の仙ノ倉山が迫力あって迫ってくるし、今まで来た道を振り返るとまだ全景
が見える。

風が強いのでゆっくりも出来ずに早速滑る斜面はどこかと確認するとガッカリ・・。
雪が少ない!・・。またまた笹薮が多く露出!
特に北西側の斜面は滑るにはかなり難しそう。

万太郎山頂より仙ノ倉山方面 同じく土樽方面

西側の毛渡沢東俣に至る斜面はちょっと降りればまだ綺麗な斜面が長く残っているように見えるので
こちらを滑ることにする。アイゼンを付けたまま雪の多い所まで降りて板を履く。

上部は雪が少ない上にアイスバーンなので慎重に滑り、少し雪が緩んだところでスピードを上げよう
としたが、板が曲らない・・あれっ、おかしい、踏み込んだ谷足がズルっと雪面にめり込み身動きが
とりづらくなり、次のターンに入るのに谷足を引き付けられず身動きがとれない。
今までに経験したことのないような厚いモナカ。

万太郎山頂付近も雪が少ない 万太郎山西斜面は良かったが・・・

これは始末悪い。とにかく踏み込むとメリ込むってのが最悪だ!!
しかしなんとかターンを決めようと思って無理して滑ったら今度は前につんのめり、顔面から転倒!
久々に目の前が真っ暗になって顔を擦り剥いた・・。
傷はほとんどないが軽く血が滲む・・。持っていたポットも滑落?させ紛失!
(環境破壊ゴメンなさい)、これで完全に戦意喪失・・!

このあとは少し斜度が緩くなった所をダラダラ滑り。
しかし、滑って来た所を見上げると綺麗な1枚バーンで素晴らしい斜面・・・! 
雪さえ良ければな〜、あ〜残念!。。

斜面は素晴らしいが雪は最悪の万太郎西斜面 樹林帯を北にトラバース

高度を落として行くと、今度は沢の状態が心配。
上から見ても明らかにハッキリとした黒々見えた水流が出ていた。
そのまま滑り降りると渡渉やら高巻きするのが心配なので、出来るだけ下流方向の右に右に強引に
トラバース。

何度もあった渡渉、まずは板を投げてから・・ 最後の深い渡渉点

結局、毛渡沢沿いに降りて緩やかな下りを滑る。
しかし・・・、ほんの僅か滑ったらすぐに渡渉!
水は足首程度なので速足で渡るが川底の岩が滑るので要注意!、渡り終わってホッとして滑りだすと
またすぐ渡渉!。
また渡り終わって少し滑るとまたまた・・!!
川面が雪の高さよりかなり低いのでいちいち降りて登る。
当然板も脱いで対岸に投げてから渡ったりするので、時間をロス。
何回繰り返したら済むんだこりゃ〜〜。雨もポツポツ降って来て風も強くなってくる。
もう5〜6回位続いた所でもういい加減にしてくれと思ってると、左岸の林の方に入って行くとしば
らく渡渉は無くなり、やがてやっと群大ヒュッテが見えてきた。

ホッとする間もなく吊橋はワイヤーのみで渡れないのでまたまた渡渉2回。
最後はちょっと深かった・・・。
これでようやく登山道に出て渡渉は無くなり、明瞭なトレースも出てきた。
あとはトレースに沿ってヒールフリーでクロカンのような滑りで先を急ぐ。モタモタしてると18時12
分の最終電車にも間に合わなくなりそうだ。。

群大ヒュッテ前の吊橋は使えない 上越線の鉄橋をくぐる

トレースはスキーのトレースは無く、すべてツボ足がスノーシュー。少し沈むような雪だがどんどん
進み、まだかまだかと思っているとようやく見た事ある堰堤が登場。上越線の鉄橋もすぐ見えゴール
は近い。途中沢横断の時と鉄橋の下をくぐるのに雪が無い所を何回か板を外したが、すべて雪が付い
ていて良かった。。
しかし最後に車道に出てから土樽駅までが意外に長い・・。車でしか通ったことないのでこんなに長
いのかとボヤキながらようやく駅への入口の階段が。除雪されてない階段を登ってようやく駅に到着
。。長かった〜〜。
そして上越線の電車に乗るがスキーを持った客は我々のみ。
山スキーシーズンのピークの割には寂しい。

夕暮れの土樽駅 車内検札・・なんぼ? どちらまで?、土合。\230也

電車に乗っている他の客に白い目?で見られながら乗ってると真面目な車掌さんの検札。
「どちらまで?」と聞かれて・・こんな格好で乗ってるんだから内心土合に決まってるだろと思いな
がら「土合まで」と言って\230払った。
久々に乗る懐かしい清水トンネルだったが10分弱で抜けて土合着、
ロープウェイ駅まではてんきんさんとTAKUちゃんが車を取りに行き(ヒッチハイクしたらしい・・
乗せた人はコワモテのこの2人を乗せざるをえなかったか・・笑)

帰りは湯テルメ谷川で温泉に入って高速の通勤割引がギリギリ適用時間に水上ICから家路についた。

 

おまけ

今回の山スキーのおさらい・・・
シール→クトー→滑り→アイゼン→滑り→シール→クトー→アイゼン→滑り→渡渉→滑り→渡渉→
滑り→渡渉→滑り→渡渉→滑り→渡渉→滑り→渡渉→滑り→渡渉→滑り
板外し→滑り→板外し→滑り→板外し→滑り→・歩行・電車
すげー忙し〜〜! 
渡渉は勿論板外してるんで、何回板を付けたり外したりしたか・・??

谷川の雪も少なく雪質も悪くてガッカリでした。
あんなモナカ雪もあるんだと面食らった次第です。。
渡渉もあんなにあるとは・・最後は逆に楽しく?なりました。。
兼用靴は意外に水が入らないもんなんですね。

山スキーというより冬山登山になってしまったようですが、いい経験になりました。
冬山登山と思えば納得というか満足で、これはこれで楽しかったです♪。
また条件のいい時に行くつもり・・。

もう来年の谷川に期待です・・。



今回のGPSデーターはこちらです。今回は途中までの軌跡地図のみです。



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