2003年10月10日―11日 常念岳登山

北アルプスは登山者にとって魅力的な山々が連なっているが、実は私の場合、北アでの
本格的な登山は高校2年の時に、裏銀座コース(烏帽子岳―三俣蓮華―槍ヶ岳―上高地)
を上高地側から一週間かけて縦走しただけである。この一週間の縦走以外は
今から10年
近く前、西穂高岳を登る計画を立てたことがあった。残念ながら
この時は、悪天候に見舞
われ西穂独標にも到達できず、撤退となった。

“今年はなんとか北アルプスの山へ!”と考えているうちに、夏も終わりついに10月に
なってしまったが、今年最後のチャンスであるこの連休に高校時代の後輩であるNS君も
参加して 常念岳に登ることとなった。

自宅〜一沢駐車場登山口

仕事から帰宅し、NS君と共に自宅の市川を出たのが、22時過ぎ。連休前の晩ということも
あり、首都高速は渋滞している。高井戸を過ぎる頃、やっと車の流れもスムーズになり、
談合坂
SAで夜食を取り豊科のインターを降りた後、コンビニで買出しをして、登山口の駐車
場(一ノ沢林道終点前)に到着は、
2時過ぎとなった。

人気の山 常念岳への最もポピュラーな登山口であり、連休前の晩ということでかなりの数
の車両が駐車しているかと予想していたが、実際は2−3台である。

寝酒の缶焼酎を呑み、早速就寝とするが下半身が寒くて すぐ寝つけない。この季節の車中
泊という事で、毛布を持参すべきであったと後悔する。朝6時前にセットした携帯のアラー
ム音で、目覚める。車外を見まわすと、いつのまにか駐車している車は、
20台以上(駐車場
敷地内がほぼ一杯)となっており、体操する人やコンロを囲み朝食の準備を
するグループなど
で賑やかである。

10分ほど林道を歩いて、登山道の入口である登山口へ行くと、数人のグループ、中高年の団体
などで大賑わいだ。天気は上々、風もなく穏やかである。登山口から今歩いてきた
林道を振り
返ると、遥かかなたに富士山の姿も見える。

登山口〜常念乗越

標高1260Mの登山口を6時半に出て、川の音を聞きながら紅葉の木々の林の中、沢沿いの整備
された道をどんどん行く。時折 木々の合間から後ろを振り返ると、穂高の町や青い空・雲の
むこうに立派な山々が見える。後にわかったのだが、これらは群馬県方面の山々(浅間―荒船山)
であったようだ。途中
10分ほど休憩を2回ほど取り、最後の水場である大きな沢(恐らく標高約
2000
M近く?常念小屋まで1kmの地点・)を横切ったのが8時半頃。ここまで、かなり良いペ
ースである。

登りの際はいつもそうなのだが、私の場合、どうしても
“早くピークに立ちたい”という気持が押さえ切れなく
なってしまう。早くピークに立つ事以外、登山途中に高山
植物を見たり、じっくり写真を撮ったりとさまざまな楽
しみ方があるのでしょうが、、、

この最後の水場である沢を越えると、樹林の中の登山道は、
かなりの急登となり、さすがに息があがってくる。小屋
まで距離
800mという標識がある地点で休みを取った後、
樹林の中を抜け、左側に常念岳を見ながら、右に大きく
曲がる道を登ると常念小屋のある常念乗越に到着である。

常念乗越〜常念岳山頂

尾根はかなり寒いと予想していたが、風は全くなく、気温も恐らく20度前後はあり、カッター
シャツ一枚でも寒くない。
10月に入り、約2500mの稜線でこの穏やかな気候は、めずらしいの
ではないかと思われる。眼下(西側)は、常念小屋の赤い屋根越しに、左側から穂高〜槍が岳の
大きな山並みが広がり素晴らしい眺めである。

NS君らとテントを担いで20数年前縦走した際に死に物狂いで登った槍沢がよく見える。二人で
その山々を眺め、しばし感慨に浸り、写真を撮りまくる。

ここから山頂までは、高度差400m約一時間の道程である。10時に乗越を出発し、ガレた道を登
る。この登りで
NS君のペースが落ちる。うつむき加減で歩いているのは、かなり疲れているから
だろうか?
NS君だけでなく、周りは苦しげな表情で登る人や山道の脇で座って休んでいる登山者
が目につく。下から見ると頂上だと思われた地点は実は八号目で、ここに到達するのに小屋から
小一時間かかってしまった。

ここで一息つき、
1115分の頂上到達。山頂は狭い上に、三股―前常念岳方面から登ってきた十
数人以上の団体が到着したばかりで落ち着かない。南側に少し下った穂高連峰を正面にした平ら
な場所で昼食とする。コンロで湯を沸かしている間、改めてまわりに見える山々を確認する。左
手は、木曽御岳山、穂高―槍の右側は、昔縦走したコース三俣蓮華―鷲羽岳―野口五郎岳、後ろ
側は、
富士山―八ヶ岳方面、南アルプス、群馬上越方面の山々と360度の展望である。今年は気候
に恵まれない登山が続いたが今回はすばらしい天気となった。絶景の中、ラーメンをすすり、お
にぎりをほおばる。まわりの登山者も 皆ニコニコしながら、食事をしたり写真を撮ったり和や
かな雰囲気である。食後、三角点のある頂上に戻り記念写真撮影。

頂上―下山

12時過ぎ、下山開始。ガレた頂上直下を戻る。小屋の脇の幕営地には、登頂時にはなかった赤や
緑のカラフルなテントが
10張くらいある。今晩泊まりの登山者が続々登って来ているようである。
実は、我々も泊まりを考えていたのだが、連休で小屋は間違いなく混雑するであろうし、かと言
ってテントを担ぐ根性はないという事で山上での宿泊は止めたのである。但しこの天気なら、今日
は間違い無く素晴らしい夕暮れの景色が楽しめるで
あろう。

小屋の中を覗くと、まだ
13時過ぎなのに受付は早くも登山者でごった返している。“今晩は、一畳
に二人ですよ!”ということを聞き、やはり宿泊は止めて良かったと思う。小屋で記念のバンダナ
を買い、周囲の景色を脳裏に焼け付け、尾根を下る。途中、多くの登ってくる人とすれ違う。かな
り年配の女性のグループもいる。畳
1畳二人の小屋に泊まられると思うとちょっと気の毒に思う。
テントを担いで上がってくる学生のグループを見ると、昔の自分達を思い出し、思わずがんばって!
と声をかけてしまう。

最近は歳のせいか下山時にいつも転倒するので、かなり用心して下るが、それでも
23回足がも
つれ、
しりもちをつく。ヒザが痛くなり、いい加減うんざりし、乗越から2時間以上経て、1515
分に登山口に到着。林道を歩き、駐車場に戻ると、狭い駐車場は朝よりも
さらに車が増えぎっしり
である。また林道沿いにも駐車している車がかなりある。車で
30分ほどの近くの日帰り温泉に立ち
寄り汗を流し、今晩の宿泊先である安曇野の宿へ向う。夕食時にビールで乾杯し、長い
1日の終わり
を締めくくった。

後がき

山を登るならやはり北アルプスが一番と思いながら、登山口までのアプローチが長く入山してから
も日程がかかるコースも多く、なかなか行く機会がなかった。

今回は連休をフルに使って、夜行23日で 常念―蝶ガ岳をラウンドしようと当初考えていたが、
小屋の混雑や行程の長さを考えて、結局 常念への単純往復のみで
下山後一泊とした。

翌日の帰路は、朝8時に安曇野を出発したこともあり、午前中には帰宅することができた。結果的
には、登山当日は天気にも恵まれ(翌日からは長野県地方は雨となった)夜行一泊
ながら、充実し
た登山となった。今度北アルプス方面はいつ行けるだろうか。
                                                                                                                以上
20031012日 記 



                  

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