山 行 記 録 No.116 @
笠ヶ岳(2898m)・黒部五郎岳(2840m)
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【日程】 2006年 8月 10日(木)〜12日(土) |
【メ ンバー】 お気楽単独 |
1日目 新穂高 → 笠新道入口 → 杓子平 → 稜線合流 → 笠ヶ岳山頂 → 笠新道分岐→
晴れ後 4:15 5:05/5:14
9:25/9:28 11:05/11:07 12:22/12:40
14:00/14:05
曇り 秩父平 → 大ノマ乗越 → 弓折岳分岐 → 双六小屋(泊)
14:54 16:26/16:30 17:08 18:25
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2日目 双六小屋 → 三俣蓮華岳 → 黒部五郎小屋 → 黒部五郎岳山頂 → 中俣乗越 →
晴れ 5:28 7:39/7:56
9:05/9:25 11:39/12:00(途中昼食)13:55/14:05
赤木岳山頂 → 北ノ俣岳山頂 → 太郎平小屋(泊)
15:25/15:27 15:59/16:02
17:30 |
3日目 太郎平小屋 → 三角点 → 折立(バス) → 有峰口(電車) → 富山(電車) →自宅
曇りや雨 4:42 6:12 7:12/7:50 15:25
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自己評価 眺望★★★★★/達成感★★★★☆/危険度★★☆/疲労度★★★★/総合評価★★★★☆
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笠ヶ岳(抜戸岳付近より) |
黒部五郎岳(三俣蓮華下より) |
はじめに
今年も夏休みの3日間位はアルプスでも縦走してみたい・・・と。昨年は北アに行けなかったので
是非とも北アへ行きたい。まだ行ってない山に・・。ということで、先月天候不順でヤル気無し敗
退した笠ヶ岳と黒部五郎岳と出来れば薬師岳も全て3日間で登れるか検討・・。(天候不順で予定
変更を余儀なくされたこの夏の鬱憤を晴らすべく・・燃え尽きるような山行をと・・笑)
新穂高〜折立を縦走ということになるが、折立INとなると有峰林道が夜間通行出来ないためどうし
ても早出が出来ないため新穂高INとしたが、毎日行動時間を長く取らないと日程をこなすのは無理
・・。とにかく初日にどれだけ歩けるかで翌日以降の日程が決まるが、まあ頑張って行って見まし
ょう。。あとは天気がどれだけ味方してくれるかにかかるか・・。
山行記
1日目 (前夜発:自宅→平湯温泉は夜行バス移動/新穂高→(笠新道経由)→笠ヶ岳→大ノマ岳→
弓折岳→双六小屋 : コースタイム 12時間40分)
今回は縦走なのでバスと電車がメインの交通手段。以前使った新宿発高山行きの夜行バスで平湯温
泉で下車、朝の3:40に着くので早立ちするのに使い勝手が良く、「さわやか信州号」より安くて
速いのがいい。
バスには府中BSから乗車、あまり眠れないまま平湯まで・・。平湯から予約したタクシーで早速新
穂高へ。平湯までのバス料金より高いが早出するには仕方ない・・。タクシーは新穂高のバス停を
過ぎて林道のゲートまで入ったので歩きだと5分以上分得した・・が、タクシーが立ち去るとまだ
周囲は真っ暗・・ただちにヘッドライトを点けて歩き出す。
先月敗退時に来たばかりの道をゆっくり歩き笠新道入口まで・・。ここの水場で暑さ対策と、水場
が山頂付近迄あてに出来ないため水を大量(スポーツドリンクと合わせて計3L)に汲み気合を入れ
直して歩き出す。
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笠新道入口(看板が新しくなってる・・) |
ポイントに設けられた標識 |
笠新道は急登で有名だが意外に道は悪くないどころか歩き易く整備されている。冷静に考えれば笠
新道入口から杓子平までの標高差1000m強を頑張ればいいということだ。出だしは鬱蒼とした樹林
帯で展望も無いが高度を上げるのにつれて樹林が疎らになり最初は穂高や焼、次第に槍や御嶽も背
後に見えて来る。天気が心配だったが台風一過の快晴になった♪
杓子平までの樹林帯は退屈だが要所に看板が有り(1460m・1700m・1920m・2100m・2200mにあ
る)、微妙に高度計と違いがある・・特に2100・2200あたりは?の気がしたがあまり細かいことに
は気にしないで黙々と登る方が良さそう・・。
背後にまずは穂高が見える |
焼岳と乗鞍岳 |
槍も見えてきた |
背後の景色が見えてくるのは嬉しいが強烈な朝陽が差し込み暑さが増してくる。台風一過の晴天は
いいけど、先が心配(暑さバテ)になってくる。(贅沢な悩み・・)
杓子平はどの辺かなと上を仰ぎ見て高度計を見ながらゆっくり歩く、この日は双六小屋迄行くには
長丁場なので出来るだけ体力を温存していきたい。
途中少し開けた花の多い場所を過ぎ、一登りで杓子平に着く。景色がパッと開けさわやかな風が吹
き一面お花畑♪ 笠もドーンと見え、気分が良くなりテンションも上がる。
咲いている花はチングルマ・ハクサンイチゲ・シナノキンバイが目立ち、白と黄色の大群落に目が
奪われる。特にチングルマの大群落はスゴイ。いやー最高!笠新道の登りの疲れを忘れさせてくれ
る・・。これから登る笠ヶ岳も端正な姿が大きくなる♪。
写真を撮ったり休憩したりしながら歩いたので少し時間を食ってしまった。しかし人が少ない・・。
一人追い抜かれたのと下に一人見えるだけ。。
雪は思ったより消えていて稜線に近い所に残っていて冷たい水を飲んでノドを潤し水を汲んでから
稜線へ。
見事なお花畑(杓子平) |
笠とお花畑(杓子平) |
稜線下の雪渓 |
稜線に着くとまた景色が素晴らしい。。これから向かう予定の黒部五郎も見えたが遥か彼方に見え
る。いやー遠い・・。と思ったがまずは笠。笠も思ったより遠くに見えるし稜線は多少アップダウ
ンもある。
稜線からは杓子平周辺の山スキーの斜面の下見・・。穴毛谷はやはりそそられる斜面だ・・・。
景色を楽しみながら稜線をゆっくり歩いて行く。ここまで思ったより時間が経っていたため、笠ヶ
岳山荘に泊まるか双六小屋まで行くか迷ったがなんとかなるかと思い稜線の岩場にザックをデポ、
空身で笠の山頂を目指す。しかし空身になっても意外に歩行スピードが上がらない・・登りになる
とかなりペースダウンする。
稜線から穴毛谷(山スキーにいい斜面) |
笠もぐっと近付く |
笠ヶ岳山荘まであと一息 |
笠ヶ岳山荘手前になるとガレた岩の道になる。山荘手前の左側には雪渓があり、その下には水場が
あるが、登頂後に寄ることに・・。山荘は素通りして一気に山頂までバテバテで登ってやっと山頂
と思ったら登頂直前からかなりガスが沸いて来て、西側半分は雲の中に・・ただ槍や穂高、焼や乗
鞍など東側は南側は展望が利いてしばし眺める。
山頂直下より笠ヶ岳山荘 |
笠ヶ岳山頂の祠 |
笠ヶ岳山頂と槍・穂高 |
軽く昼食を摂って携帯の天気サイトで雨雲や雷雲の発生・発達状況を念のため確認・・。雷雲や雨
雲は全く無いので早速双六小屋に向けてGO!。
小屋下の水場で冷たい水を飲んで汲んでからまた稜線歩き。ガスが半分かかって展望は遮られるが
その分涼しいので助かる。抜戸岳までは緩いアップダウンの道だが少しバテ気味なのであまり早く
歩けない。
抜戸岳を過ぎてからは下りとなり秩父平に向けて標高がぐんと下がる。そんなに下るのか・・と思
いながら秩父平に着く。雪渓が残り急な下りだがほんの僅かなのでアイゼンはいらないがやや緊張
。お花畑がここにも広がり秩父岩の奇岩とでなかなか絵になる景色♪
しかし・・今度は登りの続く稜線を見て気分が急に暗〜〜くなる。登り返す気力が疲労とともに薄
れてくる。汗だくになってヨタヨタ歩くがかなりペースダウン。。
こんなに登りがあったかなと思いながら登り返しが標高差何mかを2万5千分の1の地図で良く確
かめておくべきだった。5万分の1の地図だと大雑把過ぎる・・と思ってもしょうがない・・黙々
と道を歩くしかない。。
登り返しが多くて疲れた稜線 |
秩父平のお花畑と秩父岩 |
雷鳥の親子に遭遇(大ノマ乗越付近) |
大ノマ岳あたりでやっと登りも一段落してまた大ノマ乗越へ下る。ここは山スキーで新穂高から双
六に向かう時のルートになっている場所なので周辺を良く下見したいとこだが、ガスでイマイチ良
く見えない。しかし相変わらず花はいっぱい咲き乱れている♪
そしてまたまた登りで弓折岳へ、いやーキツイなと思ってたところに今度はガスが晴れてきて快適
・・ではなくて強烈な西日が横から差し込み夕方なのに暑くなる。。これは弱り目に祟り目・・
もう双六小屋への到着時刻がヤバイレベルに達したため弓折岳過ぎた稜線から小屋の事務所に念の
ため携帯でTEL。遅くても大丈夫だから気を付けて来てくださいと言われてしかも夕食も用意出
来るとのこと。
鏡平からの道と合流するとあとは2度通ったことのある道なのでゆっくり歩きながら双六小屋へ向
かう。もう道には誰もいないかと思ったら前にテン泊装備の人が歩いている。。
やっと双六小屋が・・・
ヘロヘロになってなんとか明るいうちに双六小屋に着いたが、相当遅くなったにも拘わらず優しく
迎えてくれて夕食も間に合ったというか・・別に作ってくれて嬉しかった♪(勿論天ぷら)。
(対応の良さに感謝です♪)ここは夜8時まで軽食・喫茶をやってるのは知ってたので多少安心は
していたが、やはりちょっと常識外の時間に着くのは心配だったし気が引けた。。
この日は小屋も意外に空いており部屋も半分弱しか埋まっていない様子で余裕で一人一枚の布団で
グッスリ寝れて助かった♪