山 行 記 録 No.145
妙高三田原山(2347m) 山スキー |
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【日程】 2008年 2月 17日(日) | 【メ ンバー】 かっきー・大ちゃん・TAKUちゃん・ HEIDIさん・お気楽 5名 |
雪 自宅 →(車)戸隠大橋 →杉ノ原スキー場(駐車場) → 杉ノ原ゴンドラ終点下(1400m)→ 2:00 5:55 7:15 9:07出発 三田原第3高速リフト終点発 → 三田原稜線 → 林道出合 → 引き返し地点 10:15/10:33 13:50/14:14 18:16/18:26 21:37/21:45 林道出合 →杉ノ原スキー場出合→ 第1ロマンスリフト乗り場着 → (車)自宅 1:02/1:10 6:10 6:30 12:05 |
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自己評価 眺望 ??/達成感???/危険度★★★★★/疲労度★★★★★/総合評価 ??? |
※おことわり
これは大失敗の記録です! 普通のレポではありませんので悪しからず・・・
ちなみに前回1月に行った時の普通のレポはこちらです。
はじめに
週末は去年晴天のパウダーを当てていい思いをした乙妻に行く予定をしていた。
事前に同行者と日程が合わず土曜に行く予定を日曜に変更して行くことにした・・。
結局いつものメンバー+HEIDIさんの5人で行くことになったのだが、天気は冬型が続いてあまり
良くないが土曜には晴れ間もあったらしいので、なんとかあまり降らずにいて欲しかったが・・。
山行記 [写真はほとんどがみなさん(特にHEIDIさん)からお借りした物です]
予定では乙妻だったが作戦会議の末、三田原に変更・・・(失敗の始まり)
ちょうど冬型の気圧配置が続いて土曜の夜から新たな寒気が入って降雪が激しくなるとの予報。
乙妻は日帰りだと行程が長いの天気悪いとキツイが・・とりあえず行ってみて、ダメなら黒姫か佐
渡山ということで準備して出発。
でりさん車でメンバーをと合流しながら4人で戸隠大橋の駐車スペースへ・・途中高速では除雪車
の後をずっとノロノロ走らされたり、高速降りたら大雪で除雪が追いついてなくて少し遅れて到着。
現地合流のHEIDIさんも先に到着済み。
しかし新雪が20〜30cmありラッセルは必死な状況。そこで協議・・
乙妻は行っても最初の林道と氷沢川横から北東斜面出合い過ぎまで余計な距離があってラッセルが
追いつかず無理なんじゃないかと判断。じゃ佐渡山か?黒姫?
佐渡山は標高差も無く滑りの楽しさもイマイチ・・?、
黒姫や妙高前山も先週2人が行ったばかりだし、雪崩も心配・・?。
さて・・?
結局滑り応えのある三田原がいいのでは?
一旦は下りラッセルの懸念有で却下・・
と思ったが、天候を考慮して雪崩の心配は最初の沢の横断箇所以外はあまりないだろうとのことで
一応安全そう?で滑り応えのある?な三田原に決めたのだったが・・・・。
長い協議の末、いざ決まったら早速杉ノ原スキー場に移動。
結構な降雪の中準備して行こうとしたが、チケット売場で第三高速リフトの運転予定を確認したら、
動かす予定はあるがまだ時間は未定とのこと。
しかし、待ってても・・ということで8時過ぎにゴンドラで上がって行ったらリフト運転開始9時
とのことでまだかなり待つ・・。
そうこうしてるうちに開始が10時とか11時との情報になったため、ゴンドラを少し降りた場所から
リフト開始を待たずに登ることにした。第三高速リフトは距離も長く標高差もかなりあるためかな
り登り応えがある。(簡単な山スキーの一コース分位)
9時7分 大雪の中リフトの下から出発!
誰もいないゲレンデの急斜面をラッセルして登って行く。
出発準備完了 | スキー場の斜面をラッセルして登る |
第三高速の終点近くになって動き出したが人は乗せていないでパトロールのみ。このリフト沿いの
斜面は美味しそうだった。
ここを滑ってもいいな〜♪ とは思ったが・・
10時33分 第三高速終点出発
第三高速リフト終点付近 | アバランチパスの通過 |
OPEN前にスキー場の管理内を滑ると拙いかと思って、結局三田原に向けて出発。
いきなり膝〜腰ラッセルの洗礼。
最初の沢状のアバランチパスの通過場所の上の方に着いたため下り気味に対面の雪庇の無い所に向け
てひとりひとり慎重にトラバース、後ろからの団体パーティーもいたがここから上には上がってこな
い・・その後も雪崩を警戒して尾根沿いに進む。
交代でラッセルしながらの登り |
雪は相変わらず間断なく降り続くが風が思ったより強くなく寒さはそれほどでもない。逆に雪が重く
ラッセルはかなりキツイ。ラッセルは交代しながら進むが自分の時はかなり進みが遅くなる。。
苦しみながら進むと斜度が緩くなって稜線が近くなる。稜線は風が強そうなので手前で一旦休憩して
軽く食べて、再び歩き稜線へ。
もうすぐ稜線へ | やっと三田原山の稜線に到着 |
13時50分三田原稜線着
三田原稜線着
滑走準備中・・・ |
やはり風が強くて視界が悪く、妙高の姿もあいにく見えなくて残念・・。(稜線の気温−12℃)
時間も遅いし、寒いのであまりゆっくりせず、前回と同じ木の影でシールを剥がし出発準備。
14時14分 ドロップイン(すぐに下りラッセル&ルートミス)
ドロップして滑り出すが・・・あれ・・重い!
滑れたのは一瞬だけ・・ | 視界が悪い |
三田原といえども上部は斜度がそこそこあるが雪が重くてスピードが出ない。はぐれないようなる
べく全員固まって滑る。ルートをミスしないように滑るが次第に板が滑らなくなり、下りラッセル
状態になる。
深い雪に阻まれ下りラッセル |
そして、途中で針葉樹林帯が出てくる筈が出てこない。
コンパスで充分確認しなかったのが拙かったが、少し西よりにルートを取ってしまったようだ。しか
し、戻るにしても雪が深くて簡単にはいかない。少しづつ東寄りに向きを変えて進むが時既に遅しで
斜面をトラバース気味に延々と行くだけで高度計をチェックしても標高が全然下がっていかないので
下部の林道には勿論なかなか出ない・・。
緩い下り斜面をラッセルしながら進むがペースは全く上がらない。
このままだと日没迄に杉ノ原スキー場に戻るのはかなり難しくなってきた状況。
事態は悪い方の事をいろいろ考えていかなきゃならないということで・・。
ヘッデンは?ツェルトは?食糧は?水は? と、お互いの装備を確認しあった。
日帰り前提の装備だが・・
ヘッデンは全員勿論持参、ツェルトは3名、水・食糧は朝まで位なら充分そうなので、とりあえずな
んとかなりそう。
更に延々とトラバース気味に下りラッセルしていく。雪はずっと板を履いていても膝〜股下で板を脱
ぐと腰以上の高さになる。
ルートは完全に西寄りに降りてしまっているのは間違いない。自分なりには池ノ峰の西側で笹ヶ峰牧
場方面に降りてることは確信していたが、どの程度かが分からない。(転進だったためGPSのルート
や前回トラックは消去、地図も三田原だけは無いという大チョンボ)
あまりに長いトラバースに自分のいる位置に対して段々自信がなくなってくる。
そうこうしているうちに日は傾き暗くなってきたので早めにヘッデンを装着、長期戦に備える。
そして標高が1330mの所でだだっ広い所に出た。
18時16分 林道出合(またルートミス)
ここが林道ではないかという意見と、いや標高がまだ高いので違うのではないか(自分もそう思っ
た)という意見が分かれ、とりあえず少し広い所を東向きに進もうという意見と、いやもう少し高度
を落とそうという意見で分かれたが結局高度を落とすことにした選択を取った(これが大間違い・・)
しばらく進むと微妙にアップダウンが出てきたのでシールを貼った方が速いのではということになり
シールを貼るがでり氏とHEIDIさんのシールは粘着力がかなり落ちて剥がれ易くなってしまいテープ
で何度か補強する。高度も落ちてきてそろそろ林道に出合うかと思っても現れない(もう通りすぎて
るから・・)
真夜中の雪中行軍・・・ |
そろそろおかしいな・・確認した方がいいかなと思った所で下から川の流れる音がして斜面も急な下
りに・・やはりおかしいかなと思ったが、更にそのまま進んでしまったら、いよいよ川の少し上に・・
やはりおかしいがどうしようかと協議。戻ろうという意見もあったが、一旦もう少し下ってみようと
進んだがかなり急な斜面になっている・・。このまま進むか左手の斜面を上がってみるかと再協議し
たが、ラッセルも大変だしどれだけ行けば戻れるかあてがあるわけでもないという話に。
21時45分 引き返すことに決定!
やはりかなり前に通り過ぎた広い場所が林道の可能性があるのでは?ということになり、かなり長い
時間をかけて戻ることになるが、仕方なしに戻ることに決定!
もしそこまで行って林道ではなかったらそこでどうするか再協議しようということにした。戻る道は
最後に降りた急斜面を登るのが一苦労。しかしここを登ってしばらく歩いた所で運転してきた人とそ
うでない人の体力差というか眠気の差になって現れ、でり氏の歩くペースはシールのトラブルもあっ
てかなり遅くなってきて、HEIDIさんも運転疲れからかかなり眠そう。
時刻は0時を20分位廻っている・・。
雪洞掘ってビバークしようかどうするかまた協議、寝るのも寒くて寝れないし、まだ朝までに戻れる
可能性もあるので、歩いて林道出合らしき場所まで戻ってみてダメならそこで再協議しようという意
見がでたが、運転者2名だけ少し寝て回復を図って(しかし、あまり深く長く寝ないようくれぐれも
気をつけて欲しい・・)、残り3名で戻って先行してラッセルしていこうということにした。。
自分なりには川の近くまで降りた時にはもうかなり疲れてビバークした方がいいかとも思ったが、Uタ
ーン後の急斜面の登りを思ったより早く登り詰められたので、また少し元気復活したので先行組で行
く事にした。(やはり帰着が朝になってしまうと捜索願いが出されてしまうことも恐れていた)
林の中をもう一回トレースを辿って戻り林道を探しながら行く。そして何時間か前に林道かと疑った
広い場所に辿りついてそこで休憩して軽く食べる。(ここで1時過ぎ)ザックの飲み物はかなり凍っ
ていた。
1時2分 再び林道出合
そして今度こそ林道かと確認しながらラッセルして歩いていく。なんとなく笹ヶ峰牧場の東の端かな
と思いながら、春に車で通った記憶を辿りながら歩くとやはり林道の路肩のポールような物が出始め
た。やっと道というか建造物が現れてかなり精神的に楽になった♪
あとはこの林道をひたすらラッセルして歩くだけ・・朝までに着けるかどうかは雪の深さ次第・・
だが、相変わらず間断なく雪は降り続く。
雪もずっと降り続く |
なんとか早めに携帯の通じる場所に行きたいなと思いながら歩く。林道の最初の歩きは左手がずっと
急斜面なので雪崩を警戒しながら歩く。雪はそこそこ深く所々吹き溜まってる場所もあって歩き難い
が、道さえ外さなければいいという安心感から気は楽になったので、あとは体力だけ。ラッセルも3
人なので頑張るしかないが、大ちゃんが半分近くやってくれたので助かった。
5人が二手に分かれてたので後続組が心配だったが分かれて2時間後位にトレースを追ってきた2人
が追いついて合流。1時間位寝て少しは体力も回復したようで良かった♪
ここからはラッセルも5人でやるようになったので更に楽になった。
3時35分 携帯が通じる!
そして3時半過ぎになってTAKUちゃんの携帯が一瞬鳴ったのでやっと通じる場所まで来たようで、早
速連絡が取れた。。
その後15分位して電波が安定してから自分もTAKUちゃんの電話を借りて家に連絡。
(やはり山はMOVAじゃないとダメですね)これであとは地道にラッセルするだけ・・。
時間も4時半頃になってくるとさすがにかなり眠くなってきて立ったまま両ストックを前についても
たれかかるように少し居眠りを繰り返しながら歩く。そして6時近くになって薄明るくなった頃杉ノ
原スキー場の圧雪車の黄色いパトライトが見えてきて、もうすぐだということが分かる。
6時10分 やっと杉ノ原スキー場に戻る
そして6時過ぎにようやくスキー場のコースの一角に出た♪
シールを剥がして滑走準備。圧雪車が何台も出てコース整備をしている邪魔しないよう(怒られない
よう・・)既に整備されたスキー場を快適に滑る。皮肉にもやっとここで雪が止んで陽も上ってきた。。
そして6時半にやっとスキー場最下部の杉ノ原ロマンスリフト乗り場に到着!
スキー場最下部に無事到着! おつかれさんでした。。 |
ここから杉ノ原ゾーンの駐車場に戻るにはリフトに乗らなければ戻れないがリフトはまだ当然動いて
ないのでタクシーを呼ぶことにしたが、タクシーも8時にならないと配車出来ないとのこと・・。
仕方なく近くの旅館ナチュラルイン翠山の方にお願いしたら送ってもらえることになった。(親切な
方に感謝です。今度は宿泊しに来ますね・・)
運転者2人だけ送ってもらって大雪の載った車をP-Uして戻ってきたらあとは着替えて帰るだけ。ここ
でHEIDIさんと別れ、4人は途中松代SAで休憩して食事。各自仕事を休まなければならず、会社への連
絡で忙しい・・・。
家には昼頃に到着。
ホントお疲れさまでした・・・・。
今回の反省点
@冬型で大雪が降ってるのに山に突っ込んだこと(ゲレンデで我慢しとくべきだった)
Aしかも下りラッセル必至というのに距離の長い三田原を選んでしまった(滑りの判断を誤った)
Bメンバーの体力を過信したこと(このメンバーなら大丈夫だろうと慎重さに欠けた・・確かに無事
だったが・・)
C乙妻からの転進だったためGPSのルートDATA無し・地図無し
(これが一番痛かった)
Dドロップ直後に雪が深く、滑らないことに気付いていながらすぐ戻ることをしなかった
E滑走ルートをミス(西寄りに降りてしまった)
(もっとコンパスを使って慎重に滑り降りるべきだった・・)
F林道出合いで林道では無いと判断ミス
(ラッセルを億劫がらずに少し林道進んででも良く確かめるべきだった、また標高も勘違いしていた)
Gその後、もう少し早めにルートミスを疑い戻る判断をすべきだった
(少なくとも沢へ降りる急斜面の手前)
H2名がシールのトラブル発生で時間を少しロス(2回貼り直してるので仕方ないが)
I先頭の者が担う役割の重要さをもっと認識しておく必要があった
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ちょっとはマシ?だったいうかラッキーだった点
・ビバークをしなかった判断は諸々の状況から間違っていなかった
・全員が一晩通して歩き続ける体力があった
・滑走ルートを西寄りに取ったミスに途中で気付き東寄りに修正した
・最後に沢を降りて進む判断をしなかったこと
・メンバー全員冷静だった
・雪崩ていた箇所は無かった(雪崩の危険はあったが差し迫ってる感じではなかった)
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教訓
・人間の記憶なんてかなり曖昧なものである。
・基本を疎かにしてはいけない。
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まとめ
山スキーは危険が付きものだし、過去にルートをミスって冷や汗かいた思いもして気を付けていた
にもかかわらずやっちゃいましたね・・。
(仮にルートミスをまったくしなかったとしてもたぶん戻りは21時頃になっちゃったみたいです)
山スキーやるからには一晩位は休まずラッセルして歩ける体力気力が無いとダメだ!と某Drも気合
論を論じてますが、その通りだと思いますね。
ビバークして体力温存するか歩いて下山を目指すかは当然その状況次第でしょうね。今回は雪は絶
え間なく降り続いたものの、風が全般に弱かったため寒さに対しては凍傷とかにもならずに済んだ
し、全員体力があって戻れる目途があったからこそ歩き通すことを選択して間違ってなかったと思
います。
ま、ある意味貴重な経験が出来ました・・・。
今回のことは謙虚に反省して、今後はこの教訓をいかして油断することなく安全に山スキーを楽し
みたいです。
今回のGPSデーターはこちらです。
失敗度合いが良く分るでしょう・・
途中電池切れになりましたので一部推定のルートです。
※あくまで参考程度に御覧下さい。
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