山 行 記 録 No.80
立山(2992m)御前谷 山スキー |
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【日程】 2005年 5月 14日(土) | 【メ ンバー】 リーダー・TAKUさん 2名 |
日帰り 自宅 → (車)扇沢 →(トロリー・ロープウェイ) 室堂 → 一ノ越 → 立山(雄山山頂) → 快晴 2:40 6:35/7:30 9:25/9:49 10:38/11:00 12:00/12:31 (御前谷滑降) 黒部湖畔 → 黒部ダム → 扇沢(トロリーバス) → (車)自宅 15:17/15:32 15:50/16:05 16:21/16:45 21:10 |
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自己評価 眺望★★★★☆/達成感★★★★/危険度★★★☆/疲労度★★★/ 総合評価★★★★☆ |
立山(室堂より) | 御前谷より後立山 |
はじめに
GWも終わってそろそろ山スキーのシーズンも終盤に・・あと2回位行きたいとこだが週末は別の
用事とかもあるのでラスト1回はどこに行こうか考えていた。
富士山に行こうかと思ったが今年は雪が少ないとの情報が多くてパス。
雪も安定したシーズンになるので、どうせならちょっとエクストリーム系の場所もフィナーレを飾
るのには度胸試しも兼ねていいかなとも思っていた。
あとはいつも同行しているTAKUちゃんと検討、白馬岳方面では白馬沢右俣や二号雪渓、立山御前谷
、最初に行こうとしていた針ノ木岳などが候補に・・。針ノ木と立山御前谷が最後迄残り、前日に
扇沢に向かうことに決め、どちらも情報収集して準備。最後は当日合流してから決定した。
(白馬二号雪渓は寒気も入ってたのでかなり厳しいか・・・)
山行記
心配だった天気も予報は関東は天気が悪いが長野や北陸は晴れ。但し数日前から寒気の影響で寒く
室堂は雪も降ったようで少し心配。
扇沢に着くと山は綺麗に見える・・・綺麗過ぎかと思ってたらやはり上部は真っ白。これはヤバイ
かも・・この時期の新雪なんてどうせろくなことなさそうだ。切符売場で室堂はどの位の新雪が積
もったか聞いたら15cmとのこと。15cm位なら諸条件が悪くても大丈夫だろうと出発。朝のアルペン
ルートはスキーやボードを持った人でそこそこ混んでいる。
各乗物は全て始発だったが連絡はあまり良くなく結構待たされるものの、室堂には9時半前に到着。
やはり新雪が10cm〜20cm程積もって周囲は真っ白でビックリ。。いつものように観光客の賑わいと
スキーやボーダーの人人。。
ロープウェイの中から大観峰 | 一ノ越に向けてトレースを辿る |
早速準備して出発! シールで一ノ越を目指す。
一ノ越までの登りはツボ足とシール歩行の2通りあったので楽に登れる。最後のやや急な所は踏み
跡はゴチャゴチャになるがいつもより早く登れた。
一ノ越山荘 | 一ノ越からは槍もクッキリ |
一ノ越からは槍や笠などの眺望が見事。それまで無風で暑かった登りも心地良い風が吹き気持ちい
い。途中ボーダーの20数名の団体やら、これから御山谷を滑ろうとしているらしき人達が準備して
いるので賑わっている。
一ノ越から笠方面 | 一ノ越から雄山への登り |
雄山に向かう人はほとんどが登山目的の人で板やボードを担いでいる人はほんの少数。
雄山への登りはゲレ靴の自分にとってはキツイ。半分以上の人がアイゼン付けているが中には長靴
の人やボーダー靴のまま登る人もいる。うっすら雪が積もってやや軽く凍っていない雪なのでちょ
うどいい感じで、かえって雪がまったくないより登り易いかも・・アイゼン付けるとかえって引っ
掛けたりしそうなので付けない。
途中登りに苦労しているボーダーのカップルの女の子がいたが、かえってゆっくり慎重に登れ想像
より楽に雄山山頂へ。
雄山山頂(鳥居は半分埋まる) | 雄山神社社務所前でエントリーポイントをチェック中 |
山頂に着いて早速エントリーポイントはどうかと確認して見たら唖然! 新雪が30cm強あって、し
かもノートラック。しかも重雪・・・。鳥居前からドロップしようという考えは一瞬にしてダメか
なと思った。それと雪崩の危険もありそうだし、重雪でもがいてターンが出来ない可能性も・・
あーあ無理かなー・・と考えていた。そんじょそこらの斜面でノートラックなら喜んで突っ込むこ
とを考えるが、さすがにこの斜面だとなー・・・
そう考えていたら、同行のTAKUちゃんは一度滑ったことあるのでコースも知っており、最初は右に
少し逃げれば大丈夫と言う・・。下を覗き込んでも良く見えなかったが右手は雪庇も無さそうだし
斜度も少し緩いので大丈夫か。それどころか最初ちょっと考えていた一旦社務所裏から山崎カール
の南側のカールを滑ってもう一回雄山に登ってから滑ろうかとか考えてるようだ・・山頂からの南
西側のカールも滑りたかったし雄山神社から表裏2回ドロップも事前に少し考えていただけど、時
間が気になるのと一ノ越からの登りをもう一回やるのかと考えると御前谷をじっくり1本楽しんだ
ほうがいいかと思った。
同時に山頂に登って来たボーダーのカップルは、やはり御前谷はあきらめたようで、ボードやテレ
だとかなり厳しいかも・・。
社務所横の三角点前(右上)からドロップ | デブリで埋められた神社直下の斜面 |
さて、ではそろそろスタートです・・。ここはいつもは大ギャラリーがいるらしいが、ちょうど着
いた頃から風が強くなり社務所の陰でもやっと遮る程度。寒いので通る人はそさくさと立ち去って
行って長居する人がいない。ちょっと寂しいようなホッとしたような・・。
見物人2〜3人の中、雄山三角点前からドロップ、すぐに右手に逃げ尾根沿いに少し滑り降りてから
谷に向けて滑る。やはり雪はモナカ気味の重雪で斜度は40度程度か・・・。
しかし左手の神社鳥居下の斜面を見て驚いたのはデブリで埋まってることだった。上から見えなか
ったが行かなくて良かった。。(斜面の雪は落ち着いているようで雪崩の心配は少なさそうだ。)
御前谷上部の景色 |
気合を入れてフォールラインへ・・・ |
満足です♪ | 絵になってます♪(TAKUちゃん) |
この雰囲気にゆったり浸り写真を撮りながら滑っていく。中間部からは斜度も緩んできたが、雪も
シャーベット状態になって板を引っ掛け易い。調子に乗り過ぎると危ないので引き続き周囲に警戒
しながらもゆっくり降りる。
正面に鹿島槍、左手に五竜や白馬三山方面が見えなかなかいい雰囲気だ♪。
鹿島槍に向かって滑る | 重い雪にシュプールを刻む |
高度を下げて行くとタンボ平へのトラバースが気になってくる。標高2500m付近から早めにトラバ
ースする方法と2250m付近からと2通りあるらしいが我々は2250mからの方に・・
同行のTAKUちゃんがルートは分かってるので心強いが、任せっきりもなんなので念のため地図を確
認しながら低木の下の尾根に向けて滑る。ずっと左側の尾根からデブリが出ていたがトラバース地
点の手前は右からデブリが出ているのでデブリの上を滑って突っ切るが、やはり新しいデブリなの
か軟らかくてすんなり滑って行ける。
トラバース地点は正面の低木の下 | タンボ平に向けてのトラバースを振り返る |
低木の切れる直下の尾根から標高をあまり下げずにトラバース、途中の小さなカール状はすべてデ
ブリが出ていた。3回目の尾根に出たら50m程かなり急な斜面をスキーを担いで登るとタンボ平が
見える尾根に出てホッと一安心♪。
正面に針ノ木と右上に鉄塔が見える登り返し地点 | 急な尾根筋の登り返し |
出た場所は送電線の鉄塔の尾根続きのやや上の方で大観峰へのロープウェイが良く見える場所。
風も穏やかな場所なのでここで大休止。ここでずっと遥か後ろから来ていた単独の山スキーの人が
追い着いて来て一緒に話をする。愛知(岡崎)から来ていて我々より1時間以上後に扇沢を出発し
て来たらしい。
登り返した尾根上(黒部湖が見える) | 同じ場所からタンボ平と大観峰 左上が東一ノ越 |
ここから3人で一緒に黒部平まで滑る。南向きの斜面なので雪はかなり緩み軟らかい。ターンをす
る度に蹴散らした雪が団子になり大きくなりながらバラバラ落ちて行くがかなり遅いスピード。ロ
ープウェイが上を通っているのでかなりのギャラリーがいる。一度止まってロープウェイに向かっ
て手を振ってみたら客の誰かが手を振り返して来た(笑)
行きのロープウェイの中からチェックした写真 | ←同じ場所の尾根から滑り降りた場所で撮影 |
今度はギャラリーが多いので滑りを決めたい?とこだが、もう緩斜面で筋や溝でボコボコになって
きた。ロープウェイの黒部平あたりは去年と同じか、それより汚い位の雪。
タンボ平のTAKUちゃんの滑り | 右下にシュプール・左上に赤く見えるのがロープウェイ |
黒部平で愛知の単独行の人と別れ、黒部湖まで2人で滑る。雪は更に汚くなりスジスジボコボコ斜
面。倒木や藪も出始め、一度通過するのに僅か2〜3mだが板を脱いだ場所もあったり倒木を乗り越
えるのに失敗して穴にズボッといってコケた場所もあった。黒部平からはやや右手に進んだ方の雪
付きのいい場所を降りて行くと、最後は黒部湖畔沿いの道のかんぱ谷橋から一番近い場所にドンピ
シャで降りられた♪
黒部湖に近い斜面は樹林帯の藪混じりの汚い雪 | 黒部湖沿いの道に無事到着 |
黒部湖畔にはふきのとうがあちらこちらに顔を出していたのでちょっといただいてあとは扇沢行き
のトロリーバス乗り場を目指してダム沿いの道を歩き観光客の団体さんと一緒になって歩く。行き
は朝イチだったので客のほとんどがスキーかボーダーだったが今度はほとんど見当たらない。
かんぱ谷橋とダム | 黒部湖から赤牛岳方面 |
トロリーは混んでいて座れなかったが目の前に座っていた人がちょうど我々がタンボ平の上の尾根
で休憩していたシーンを見ていたらしい。一般の観光の人からはこの時期のスキーはやはりかなり
物珍しいようで、いろいろ質問された。
扇沢からの帰り道では八重桜も見頃。少し山菜取り(たらの芽・こごみ)をしてから帰った。
眠い帰り道だった・・。
おまけ
立山は乗物でお手軽に行けてしまうが、さすがにあれだけ多くの人も御前谷まで行く人はほとんどい
なかったので優越感に浸れた。ただ、この日寒波の後で中途半端に雪が降って時間が少し経っていた
だけだったので景色は真っ白で綺麗だったが、常に雪崩の心配と重い雪に悩まされた。春の雪は重く
ナダレてもスピードが遅いが常に周囲に警戒してなければならない。そこそこ雪は安定していたが、
時間がもう少し早かったらちょっと危険だったかもしれない。
しかし、さすがに立山。雪の重かったのと料金の高いのを割り引いても充分楽しめた♪ 日帰りは
ちょっともったいないが・・・ 剱エリアを含めまだまだ滑りに行きたいとこだらけだ・・・・。
あとは同行してくれたTAKUちゃんにも感謝感謝。。一人では御前谷はちと厳しかったかも・・
来シーズンもよろしくー!・・・
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